警備といえば思いつく会社は「SECOM」「ALSOK」の2つというかたが多いと思います。ホームセキュリティだとSECOMのほうを目にする機会も多いと思いますがATMなどのお金の入れ替えはALSOKを見る機会が多いとも思います。
まさに警備業界の雄ともいえるこの2社ですが果たしてこの2社はどっちが規模的には大きい会社なのでしょうか?
今回は警備業界を代表するALSOKとSECOMの2社について次の内容で解説します。
・市場ランキングはどっちが上か?
・それぞれどんな会社か?
・事業内容は?
では、詳しくみていきましょう。
業界の雄!ALSOK,SECOMについて解説
警備業界全体の最新状況を見てみると、2017年から2021年時点まで全体の売上高は横ばいの状態となっています。
コロナのパンデミックをきっかけに様々な業界で売上高が大きく落ち込みましたが警備業界は影響をあまり受けずに売上高を維持していたことが分かります。コロナによってイベントなどは減ってしまいましたが近年の防犯意識の高まりを受けてホームセキュリティの業界が伸びてきました。
実際に警備業界の企業別売上高ランキングは次のようになっていて、ホームセキュリティ関係の会社が占有していることが分かります。
・1位 SECOM 1兆498億円
・2位 ALSOK 4890億円
・3位 テイケイ 922億円
・4位 セントラル警備保障 690億円
・5位 アサヒセキュリティ 471億円
・6位 全日警 383億円
特に上位2位のSECOMとALSOKが他社と比較して圧倒的に売上高を伸ばしています。この2社は警備業界の年収ランキングでも1位と2位をとっています。1位はSECOMで平均年収594万円、2位はALSOKで平均年収579万円です。
警備員の平均年収が345万円と言われているためこの上位2社がどれだけ警備業界において強いかが分かると思います。今回の記事は警備業界の上位売上高を占有している大手2社のALSOKとSECOMについて解説します。
ALSOKとは
まずは第二位のALSOKからみていきたいと思います。ALSOKの社名は「ALWAYS-SECURITY-OK」を短縮した言葉がALSOK(アルソック)です。
ただちに行動を起こす機動力に加えてモチベーションを高く常に取り組む姿勢、この2つを24時間365日いつでも発揮することを会社のモットーとしています。
警備会社としては50年以上、ホームセキュリティとしてだけでも30年以上の実績があります。ATMのセキュリティ警備を行っている会社としても有名です。
ここからは、ALSOKについて次の項目毎に詳しく見ていきます。
・会社概要
・事業内容
・市場ランキング
ひとつひとつ見ていきましょう。
会社概要
ALSOKの会社概要をまとめると次のようになってます。
・設立1965年7月16日
・資本金18675百万円
・社員数 連結 38192人、単体 12002人
設立も1965年と古く50年以上の実績のある安定した企業です。
事業内容
大きく分けて次の5つの事業があります。
・機械警備業務
・常駐警備業務
・警備輸送業務
・綜合管理・防災事業
・介護事業
ホームセキュリティは「機械警備業務」にあたります。警報機器を設置し監視センターで異常を24時間チェックを行います。異常発生時には待機中の警備員が出動します。
個人家庭向けだけでは無く法人向けにもサービスを展開しており「ALSOK-GV(ジーファイブ)」という事業名で展開しています。
またイベントや施設の常駐警備や要人の身辺警護も行ってます。これは「常駐警備業務」にあたります。防災の観点から総合的に統括する事業も行ってます。消防用を含めた設備の管理や、意外なところで「飛行ロボットによる空撮サービス」も行ってます。
最近はIT関連にも力を入れており次のようなサービス展開も行ってます。
・多機能型モバイルセキュリティ端末
・認知症患者のみまもりタグ
・ネット情報監視サービス
・ホームページ改ざん検知サービス
このようにインターネット関連のセキュリティに対するソリューション事業や情報警備事業も行ってます。
市場ランキング
ALSOKは警備業界の売上高は4890億円で市場ランキングは2位です。3位のテイケイは922億円のためかなりの差をつけての2位ということになります。今後の見通しについては前年同期比4.3%増の5100億円の見通しとなっております。
2010年段階では2792億円であったことを考えると10年で1.8倍近い売上高の成長を遂げたことになります。警備業界全体の売上高は2010年から2020年にかけては3兆1304億円から3兆4537億円と1.1倍程度であったことを考えると、ALSOK自体の売上高の伸びがいかにすごいかが分かると思います。
SECOMとは
つづいて業界1位のSECOMをみてみましょう。SECOMは日本で初めての警備保障会社です。「ホームセキュリティ」を中心とした事業で1962年から法人と個人両方に向けて事業を拡大してきました。
現在は日本だけでは無く海外17の国と地域への事業展開も行ってます。アジア圏を中心にしつつもイギリスやアメリカなど欧州、欧米へも進出している巨大企業です。ここからはALSOK同様に項目毎に詳しく見ていきます。
会社概要
SECOMの会社概要をまとめると次のようになってます。
・設立1962年7月7日
・資本金 66400百万円
・社員数 連結 64421人、単体 16279人
設立がALSOKよりも3年早いSECOMは資本金の大きさと従業員数の大きさという点においても圧倒的な大企業であることが分かります。国内契約件数が261万件である一方で海外契約件数が103万件と28%は海外事業であることが特徴の1つです。
事業内容
SECOMはグループ全体の事業内容としては次の7つの柱を軸に事業を推進しています。
・セキュリティ事業
・防災事業
・メディカル事業
・保険事業
・地理空間情報サービス事業
・BPO・ICT事業
・国際事業
ホームセキュリティを主軸にしながらもそれに関連する事業を幅広く着実に展開している印象を受けます。セキュリティ事業については、ホームセキュリティはもちろんですが「巡回警備」や「常駐警備」「現金護送」なども範疇となってます。
メディカル事業や保険事業は一見警備とは関連が無いようにも思えますが、ホームセキュリティで拡大していく顧客に向けてセールスができるため理にかなった事業展開であるといえます。特にホームセキュリティは高齢の方の割合も多いため介護事業などが展開しやすいです。
BPOは業務の一部をアウトソーシングすることを指しますが、SECOMはこれを活用し大規模災害が発生した際の事業継続計画をSECOMのノウハウやビッグデータを用いてサポートするサービスを展開しています。
また国際事業も海外向けにホームセキュリティのサービスを展開しています。セキュリティ機器を販売するのみではなく、その後の対応を自社で完結する総合的なセキュリティサービスが各国で高い評価を受けました。
ハイテクを活用したクオリティの高いセキュリティグループというイメージがSECOMには付いています。
市場ランキング
SECOMは警備業界の中でも売上高圧倒的1位の1兆498億円です。2010年段階では6547億円の売上高でした。10年で1.6倍です。
警備業界全体の売上高は横ばいの中、ALSOK同様に事業展開をうまく行い売上高を順調に増やしてきている会社といってよいでしょう。
まとめ
今回の記事では警備業界の雄ともいえるALSOK,SECOMの2社について解説しました。警備業界全体の中でも市場ランキングの上位2社であり3位以下との差が圧倒的に開いているまさに警備業界の雄といって良い2社です。
2社とも過去10年間で売上高をどんどんと伸ばしてきている会社です。ALSOKは警備業に関連する内容での事業展開が多く、一方でSECOMは警備業にとどまらずメディカル事業や保険事業、そして海外進出と幅広く展開していっている印象です。
転職を考えているかたなどは、両社の現在のスタンスや今後の事業展開の内容などを考慮したうえでどちらにするかを検討していくと自身のキャリアも明確なビジョンをもって考えていくことができるかもしれません。
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