空港保安警備業務検定2級とは?試験内容や取得するメリットについて解説!

目次

はじめに

警備員に関する検定の中で、空港保安警備検定というものがあります。これは空港で警備をする人全員が、取得していなければならない資格ではありません。

但し資格を取得している警備員と、取得していないと警備員では、資格手当による収入面やシフトに入る優先面など、様々な場面で有資格者の方が、有利なのは言うまでもありません。

ここでは空港保安警備業務検定2級はどういうものなのか、また合格者になるにはどうしたら良いのか、具体的に解説していきます。

空港保安警備業務検定2級とは

警備員の資格は、空港保安警備業務検定以外にも交通誘導警備業務や、施設警備業務などがあります。全ての警備に関する検定は、「警備員等の検定等に関する規則」に定められており、規則にある内容に沿って試験が行われています。

検定の種類は1級及び2級となっていて、専門的な知識は2級、その知識を高度にしたものが1級の範囲になります。

空港保安警備業務検定2級が出来ること

日本全国には、数多くの空港が点在していて、その空港の保安を守るために、多くの警備員が配置されています。

空港という場所は、国内線だけでなく国際線の飛行機が、日々発着陸をしています。空港に発着陸をする飛行機を利用して、旅行や出張、移住など、様々な目的利用で、多くの人が空港を利用しています。

飛行機は鉄道やバスと違い、乗りさえすれば遠い外国へでも、すぐに行ける便利な乗り物です。それ故に悪意のある者が、飛行機を乗っ取るようなことにでもなれば、国際問題や大事故へとつながる可能性があります。

そういった乗っ取り行為を未然に防止するため、空港保安警備の教育を受けた警備員が配置されているのです。

そこに配置された警備員は、乗客が搭乗する前に手荷物検査を厳重に行うことや、管制塔や飛行機の待機場、修理工場など関係者以外立入禁止の場所への侵入阻止など、日々厳しい監視を行っています。

空港で警備員として働くには、現任教育等を法定時間の通り受けていれば、たとえ空港保安警備業務検定2級の資格が無くても、業務に従事することが出来ます。業務に精通する知識や経験を、空港保安警備業務検定2級という資格で証明することが出来れば、様々な面で有利となります。

警備会社としては、有資格者が在籍していることで、空港保安警備の業務を請け負うことが出来、警備員は資格を有することで、仕事が受けられかつ給料が増額となるなど、両者にとってメリットが受けられます。

空港保安警備業務検定2級を取得するには

空港保安警備業務検定2級の資格を取得するには、各都道府県の警備業協会が実施する特別講習を受講し、「修了考査」に合格する方法と、公安委員会が行う「検定試験」を受験する2通りの方法があります。

特別講習の修了考査と公安委員会が実施する検定試験は、どちらも学科試験と実技試験で構成されています。つまりどちらにしても、試験は必ず受けなければなりません。

この2つの違いは、特別講習は修了考査の前に、修了考査の内容についての講習があるのに対して、検定試験の方は、講習が無く検定試験のみとなります。

その他に検定試験の受験料は16,000円に対して、特別講習は講習を含む分54,000円と割高ですが、特別講習を受講する方が、合格の可能性が高いと言えます。

空港保安警備業務検定2級試験について

検定を取得する優遇措置として、空港の手荷物検査に使用されている機械(エックス線透視装置)が設置される場所ごとに、検定2級合格者を1人以上配置することが定められています。

受験資格

受験資格は特に設けられていません。施設警備など、他の警備業務に携わっている人でも受験可能です。

一般の人でも申し込みをすれば受験することが出来ますが、当然警備員未経験者よりも、警備員として実務をしている人の方合格しやすくなっています。

試験内容

他の警備業務の検定と同様に、学科試験と実技試験の両方受ける必要があります。

学科試験は五肢択一式 が20問出題され、試験時間は60分間です。試験の内容は下記の通りです。

1.警備業務に関する基本的な事項

「警備業務実施の基本原則に関する専門的な知識を有すること」及び、「警備員の資質の向上に関する専門的な知識を有すること」を問う問題が出題され、交通誘導警備や施設警備などと同じように、他の警備業務に従事していても、現任教育等で教えてもらっている内容になります。

2.法令に関すること

「法その他警備業務の実施の適正を確保するため必要な法令に関する専門的な知識を有すること」及び、「航空法、航空機の強取等の処罰に関する法律、外交関係に関するウィーン条約その他空港保安警備業務の実施に必要な法令に関する専門的な知識を有すること」が出題されます。

最初の項目に出てくる「法」とは警備業法を指していていて、他の警備業務も現任教育等で教えられている内容になります。

それに対して「航空法」等に関しては、空港保安警備に従事する者であれば、現任教育等教えてもらっている内容ですが、他の警備業務に従事している人が受ける場合は、しっかりと学習する必要があります。

3.乗客等の接遇に関すること

「乗客等の接遇を行うため必要な事項に関する専門的な知識を有すること」及び「英語に関する専門的な知識を有すること」とあります。空港は外国人が多く利用する場所となるため、英語の知識を問う問題が出題されています。

4.手荷物等検査に関すること

「手荷物等検査用機械器具の構造、作動原理及び機能に関する専門的な知識を有すること」など手荷物等検査用機械器具に関することが出題されます。その他にも機械の調整や操作、故障等に関する知識なども知っておく必要があります。

5.空港に関すること
「空港の施設及び管理に関する専門的な知識を有すること」及び「航空運送事業者その他の関係事業者の業務に関する専門的な知識を有すること」の他、警察署、地方出入国在留管理局の出張所、税関支署などを問う問題が出題されています。

6.航空の危険を生じさせる恐れのある物件及び不審者を発見した場合における応急の質に関すること

警察機関その他の関係機関への連絡を行うための知識から、他の警備業務の現任教育等で教えてもらっている、護身用具の使用方法や、応急措置なども含まれています。

また実技試験は下記の通りです。

1.乗客等の接遇に関すること

2.手荷物等検査に関すること

3.航空の危険を生じさせる恐れのある物件及び不審者を発見した場合における応急の質に関すること

実技試験の内容に関しては、空港保安警備特有の問題が出題されています。特に実技試験では、日常の業務で行っている手荷物検査などを、試験官を前にして、決められたシナリオの通り、実技が出来ているのかどうか、チェックされることになります。

合格率

合格率は公表はされていません。

学科試験の合格ラインは90%以上と定められています。つまり20問ある内で、18問を正解しなければならないことになります。また実技試験も同様に合格ラインは90%以上と定められています。

学科試験も実技試験も両方90%以上でなければ、不合格となります。

まとめ

日々飛行機が安全に発着出来るのも、空港保安警備員が乗車前に手荷物検査を厳重に行っていることのお陰でもあります。

ある程度空港保安警備員として、経験を積んだら、次のステップとして空港保安警備検定2級を取得することで、スキルアップした証明になります。

空港保安警備検定2級を取得し、1年間の業務経験を積んだ後に1級の受験資格が与えられます。

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