警備員の採用で前職調査はある?範囲はどこまで?

前職調査という言葉を知っていますか。転職の際に前の会社での履歴を詳しく調査することで、警備員になるには、必ず前職調査が行われるという人もいるようです。

ここでは、警備会社に採用される前には本当に前職調査が行われるのか、前職調査が行われるとすれば、どのような内容をどの程度まで調査するかについて詳しく説明いたします。

目次

前職調査とは

前職調査とは転職する場合に、応募した会社が本人がなぜ会社を辞めるにいたったのか、前職での勤務状況はどうだったのかなどを、一般の民間企業に委託して調査を行うことです。

民間の調査会社では、一人あたりの調査費用が数十万円になるといわれており、複数の応募者があった場合には全ての人を調査すると莫大な費用がかかってしまうため、前職調査が行われるとすれば面接なども終わって内定というあたりで行われるのが一般企業の場合です。

一般の企業では前職調査は費用がかかることもあり、重要な役職の転職者のみに限られることも多いのが現状です。

また、費用がかかるからと採用担当者が個人で前職の職場に電話を入れることもあるようですが、前の職場では質問に答える義務はなく、個人情報の漏洩は法律に抵触することも考えられるため、調査会社に依頼するのが一般的な前職調査となっています。

リファレンスチェックとの違い

欧米では転職の際に当たり前のように行われているリファレンスチェックですが、前職調査とは調査内容に大きな違いがあります。

リファレンスチェックは、前職での勤務態度や人柄などを調査するのに対し、前職調査ではリファレンスチェックの内容も含め、法に触れることはしていないか、危険な行為をした経歴はないかなど多岐にわたります。

なお、どちらの調査も本人の同意なしで行うことは許されません。

警備員の採用で前職調査はある?

警備員になるためには警備業法に定められている8つの欠格事由に抵触しないことが前提となっており、反社会勢力とつながりがあるとか、薬物依存の人は警備員になることはできません。

このようなことにつき本人に確認することになりますが、正直に話す人ばかりとはいえないため採用前に前職調査を行うともいわれます。

また、警備業では高価な品物を配送したり、多額の現金を扱うこともあるため、前職にてお金で問題をおこしたり、現在お金に困ったりしていないかも気になるところです。

結論からいえば業務によって前職調査はあるといえます。警備会社は依頼主との信頼関係のもとに成りたっており、法律で警備員になってはいけないとされている人を雇うことは、警備会社自体が処罰を受けることにもなり、依頼者への信用も失ってしまうでしょう。

警備業は、施設での警備を担当する第1号警備、駐車場や工事現場で車や人を誘導する第二号警備、高価な美術品やお金などを運搬警護する第三警備、ボディーガード役の第四号警備がありますが、とくに前職調査を行う必要があるのは、第三と第四号警備になります。

貴重品の輸送や身辺警護のあたる警備員が、前職においてお金や暴力問題をおこしていたりすれば、安心して業務を任せることができないからです。

ただし、他の警備業務においても欠格事由などは変わりませんので、大手の警備会社などでは第一号および第二号警備においても前職調査を行うことはあるようです。

とくに上の役職に転職する場合には、人となりが重要になるため業務を問わず前職調査を行うのは一般の企業と同じです。

警備員の採用で前職調査をする目的

警備員を採用する際に前職調査をする大きな目的は、警備員の欠格事由に抵触しないか、もしくは抵触しそうな行動がなかったかを調べるためで、暴力沙汰の事件があったりお金にかかわる問題があったりすれば採用を見送ることもあるでしょう。

また、繰り返しになりますが、警備業は信頼関係が重要な仕事なので、本人が申告した事項と相違がないかを調査して信用するに値する人物かを見極めるためでもあります。

前職を辞めた理由を誤魔化していたり前職での経歴や役職を偽っていたりいすれば、他にもウソをついていると思われるため良好な信頼関係が築けなくなります。

こうした詳しい情報は前の職場に直接電話などで聞いても教えてくれることは少なく、教える義務もないため相手方は多くを語らないのが実状です。

そこで、民間会社であれば普通では知りえないことまで調査してくれるので民間の調査会社に依頼するのが通例となっています。

ただし、前職調査については個々のプライバシーの問題があるため、本人に調査することを伝える必要があります。もちろん、本人が拒んだ場合には調査は行うことができませんが、何か後ろめたいことがあるのではと、悪い印象を与えることになってしまいます。

前職調査の方法

前職調査の方法は、調査会社が履歴書をもとに関係するあらゆることを調べていきます。履歴書や職務経歴書の内容が間違いないかを確認し、家族構成や住宅および借金の有無まで調査が行われます。

調査会社はあらゆる方法で、前職を退職した理由や勤務状況なども調査し、依頼する警備会社からとくに要望があれば、それについても詳しく調査し、対価として数十万円の報酬を請求します。

数十万円に値する調査ですので、われわれが電話などで確認するのとは訳が違い、本人の素性が暴露されるといっても過言ではないでしょう。

ただし、調査専門の機関だからといって全てを知り得ることは不可能です。社会保険の加入歴などは国が管轄しているため、調査しようにもできない場合も多くあります。

痛くもない腹を探られるのは気持ちの良いものではありませんが、前職調査はこのような手順で行われ、提出した書類や話したことに相違はないか、お金や暴力などの前歴はないかなど、警備に関わる重要事項が調査されます。

また、職場で働きながら転職先を探していることもあるかと思います。その場合には応募した転職先から、いまも勤めている職場に調査の電話などが入ることになります。

こうした場合にも調査する際には事前に確認があると思いますので、「まだ勤務している状況なので調査は辞めてほしい」とハッキリ伝えても構いません。

調査を拒否しているにもかかわらず勝手に調査を行った場合には、民事訴訟で訴えることもできるので、それらのことも頭に入れておきましょう。

前職調査で経歴に虚偽が発覚するとどうなる

前述のように、前職調査では履歴書などに書いた経歴などについて詳しく調査しますが、経歴に虚偽があれば詰問されるか、内定が取り消されることにもなりかねません。

提出する書類には真実を書き、面接で聞かれたくないことを聞かれたとしても正直に話した方が後で困ることにもなりません。

100%完璧な人間がいないことは、採用する警備会社でも十分に理解しているはずです。正直なことを書き、正直に話すことでこそ、本当の信頼関係が生まれます。

自分の知らない場所で調査が行われることは、非常に気分を害することでもありますが、書類に不備がなく話したことも間違っていないと分かれば、信用は高くなり採用への近道となります。

虚偽の事実を書いたり話したりすることだけは、絶対にしないようにしましょう。

正直にな対応を心がければ前職調査は怖くない

警備会社において前職調査は行われると考えてよいでしょう。転職の際には嫌でも「なぜ前職をやめたのか」と理由は必ず聞かれます。都合のよいように答えたとしてもウソは必ずバレてしまいます。

就職してからの長い人生も見据えて、正直で真摯な対応を心がけてください。

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