警備員をはじめて見よう。でも、警備員ってどれくらいの給料をもらっているのか?やはり、働くからには給料は気になります。今回は警備業の給料について詳細に説明します。
はじめに
結論からお伝えすると、男女別では、男性が約355万円、女性が約330万円となっています。全産業の年間収入は男性と女性を合わせ、約490万円です。年間収入は全体と比較して低いと言わざる負えません。月給に換算するして、29万円、初任給、約20万円が相場です。また、アルバイトやパート、派遣社員における平均時給は1014円、1291円です。(参考 令和2年賃金構造基本統計調査 https://www.e-stat.go.jp/ )
警備業における正社員の給料の分散を見てみると、一番ボリュームが多くなっているのが、338万円から375万円となっています。全体の給料の幅は、227万円から522万円となっていますので、勤務先の警備会社、警備会社での金属経験、スキルによる大きな差は少ないと言えます。(参考 求人ボックス
https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/ )
警備員の給与について
警備業界の給与について全体的には他の業界より低くなっていますが、地域別ではどのようになっているのでしょうか?最も平均年収が高いエリアは東海地方となっています。東海地方は年収が357万円、アルバイトの時給が987円、派遣社員の時給も1464円となっています。逆に最も低いエリアは北海道・東北エリアとなっており、年収は305万円、アルバイトの時給も890円となっています。
アルバイトの時給に関しては、各都道府県で最低賃金が法律上で定められているため、その影響もあるかと思われます。また、警備員の給料が低い要因としては、全体の約45%を占める60歳以上のシニア層の給料も考えられます。シニア層の年収は353万円、60歳以上となると294万円となり、300万円以下となります。ただし、シニア層には年金支給などもあるため、生活レベルそのものが低いという事にはなりません。(参考 求人ボックス https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/ )
警備員の賃金が低い理由
それでは、なぜ警備員の給料は低いのでしょうか?その一番の理由は、警備員1人当たりの利益が低くなっているからです。仮に利益が1000万円あり、人数が100名の場合は一人当たり10万円の利益となりますが、人数が200名の場合は、一人当たりの利益は5万円まで下がります。警備業界は、機械や自動化などで業務をまかなうことがむずかしく、労働集約的な産業であるためより一人当たりの利益は下がってしまいます。この傾向は、警備業界に限らず、旅行業界、飲食業界など、人が作業を行わなければ仕事ができない業界の給与水準は総じて低くなる傾向になります。警備業界も機械警備やAI警備ロボットなどの導入も進みつつありますので、今後このような機械化が進めば給与水準も上がってくる可能性があります。
警備の業務ごとの給料と手当
警備の業態は、4業務へ大別されています。それぞれについて、平均的な給与を見ます。まずは、第一号業務である施設警備について説明を行います。施設の警備員は、建物入り口や商業センター館内を巡回、立しょうします。また、建物内に設置している警備センサーや警備カメラの映像のチェックを監視センターで監視する業務も施設警備業務となります。この年収、機械業務に携わる資格の持つ者は年収約450万円、それ以外の者は、約300万円前後となります。
続いて、交通警備や雑踏業務となります。これらの業務、第二号業務です。建設工事の現場や道路工事の現場、花火大会やコンサート会場などで人や車の通行を誘導、導線の確保を行うことが主な仕事となります。交通誘導、雑踏の年収、約220万円になります。第二号業務、時給、派遣の形態が多いため、年収は低めになります。第三号業務は、輸送業務と呼ばれ、貴重品の輸送時の窃盗を予防することを行っています。
それ以外にも核廃棄物などの搬送仕事を行うためには資格がいります。大切なもの輸送する場合において、資格保持者の配置しなければならないため、この資格が持っていると年収へ上げることができます。そのため、この業務は資格保持者は約400万円、無資格者は200万円前後と幅が広くなっています。第四号警備業務、身辺警備業務=第4号警備業務とよばれます。4種類ある警備業務中、危険度は高い業務です。要人のボディガードとなりますので、警備対象の危険度に応じて年収も変化します。この業務の相場は約420万円から550万円となっており案件ごとに異なることが多くなっています。この業務は資格はもとより、護身術や武術など要人を物理的に守る必要があるため、その分年収も高くなっています。
警備員の国家資格とは?
警備員には国家資格があります。警備員指導教育責任者、機械警備業務管理者、警備業務検定などがあります。警備員として警備会社で働くためには資格は必要ありません。未経験でも採用されるケースも多くなります。また、資格を取得しなくても働き続けることは可能です。しかし、警備業法など法律で警備の現場には一定の国家資格を保持した人間を配置しなければならないと定められています。そのため、現場に一定数の保持者が必ず必要です。保持者は、資格の手当が支給され、獲得を推奨する警備の会社が存在します。資格手当も配置基準の場所での警備は、数万円になる会社もあります。単なる給与面だけでなく、会社間での転職にも有利に働きますので、積極的に取得しておきたい資格です。
警備員の昇給と手当が少ない理由は?
警備員の正社員による経験年数による違いは、経験年数0年であれば、約260万円、経験年数5年未満で280万円、経験年数10年未満で290万円、経験年数15年未満で300万円となっています。このように経験年数による昇給は警備業界においては低くなっています。
大きな差異がない=経験が長くなることが会社の利益につながらないことも理由の一つとあげられます。警備業の業務自体、建設工事現場、施設警備の現場など、それぞれ現場に定型的に決まっているものであるため、習熟度により収入が上昇する性質の業務ではありません。そのため、個々の警備員においても経験年数による昇給も少なくなります。一方、初任給については他の業種と同等もしくは、若干高めに設定されています。これは、業務経験が少なくても比較的短期間で現場での業務が行えることも理由としてあげられます。
月額の給料だけでなく、ボーナスにおいても警備業は、比較的景気の波に左右されにくい業界ですが、もともとの需要が定まっているためボーナスもあまり高く設定されずに一定額、また勤続年数による上昇幅も小さい傾向にあります。(参考 職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計) https://hataractive.jp/useful/182/ )
価格交渉で警備会社は不利なのか?
勤務している警備会社へ給料の交渉を行うことは可能でしょうか?警備会社自体が現状利益率が高い業界ではないため、交渉は難航することが予想されます。勤務先の会社へ賃金昇給交渉を行うより、資格等を取得しより条件が良い会社へ転職を視野に入れた活動が有効です。その理由として、関連の資格が活かせる現場を多数かかえる会社ほど、保持者を必要となっており、その分転職時に給料の交渉をしやすいです。警備業界は、慢性的に人手不足となっていますので、求人サイトではさまざまな警備会社を調べることができます。現在勤務中の警備会社で交渉を行い、不調の場合は転職も検討に値します。
まとめ
警備業界は、業界の構造自体が、賃金が上がりにくい業界となっています。しかし、今後機械かAI化がすすめば収益体制が改善する可能性もあります。安心安全を守る需要自体は今後もますます高まります。安定性のある業界です。
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