警備員の情報収集はどのようにして行う?

警備会社は、2022年現在全国に約1万社以上存在しています。警備会社それぞれに取り扱っている業務の違い、強みの違いなどがあります。今回は、警備会社や警備業の情報をどのように集めたらよいのかについて説明を行います。

目次

はじめに

警備業界の歴史は浅く、その開始は1961年となっています。業界の開始からまだ60年ほどしかたっていません。しかし、その間に高度経済成長、テロや犯罪の増加、少子高齢化による社会全体の不安の増加に伴い、現在は売上高が3.5兆円を超え、警備会社数は1万社を超えています。そして、警備員の数も60万に迫る勢いです。

警備業の業務範囲も拡大し、当初はオリンピックなどのイベント管理が中心でしたが、その後、オフィスビルや商業施設、その後機械警備の開発による24時間365日の常駐警備、各家庭の安全安心を守るホームセキュリティの浸透などどんどん拡大しています。そして今後も警備ロボットや警備AIの開発も行い、より効率的な警備体制へ進化を進めています。

警備業界の動向について

以上のように、警備業界の歴史は60年程度と長くはありませんが、業界全体で大きな動きは抑えておく必要があります。それぞれ説明をおこないます。まずは、実施場所へ国家資格の配置が定められました。交通の誘導には検定保持者、施設、雑踏、貴重品の現金輸送、空港警備など警備を行うさまざまな場所において国家資格保持者を1名から数名の配置が義務化されています。これは、過去、明石市花火大会において死者11名を出す事故の発生など警備不備に伴う事件や事故の発生が要因の一つとなっています。

続いて、救急法も改正されAEDの設置に伴い警備員にも救急蘇生の教育が義務化されています。その他、セキュリティプランナー認定資格も開始され、新しい警備体制や警備制度に対する需要の拡大や行政全体の流れや動きに対する理解を進めることが、警備業界全体に求められています。

最後に、警備業界は業界の発達に伴い、本来、鉄道会社の管轄であった鉄道みはり員を警備会社で請け負うようになり、機械警備にて監視センターで24時間態勢の警備を実施、また、ATMの現金回収や保守、障害対応、無人駐車場の障害対応などさまざまな業務を拡大してきました。そして、現在は警備ロボットの開発、各家庭に警報装置を設置し、高齢者などの安心見守りサービス、警備AIの開発によるドローンによる遠隔警備などさまざまな新規業務分野が広がっています。そしてこの傾向は、今後ますます広がっていくことが予想されています。

警備員、警備業に関する情報収集の方法について

警備業、警備業界についての情報収集するためには主に以下の方法があります。

・警備新報

警備保障新聞社が月に3回発行している業界紙となります。発行部数は月間9500部となっています。購読料は年間で30000円となっています。警備保障新聞から名称が変更されました。業界最新内容が掲載されているため、最新情報の収集には最適な媒体でした。現在はウェブサイトは閉鎖されているため紙媒体での情報リソースとなります。バックナンバーは一部見出しを読むことができ、2022年11月現在お試し1ヶ月は無料で行動ができますので、業界への知識をさらに深めてみたい方は、購読をおすすめしたいとおもいます。

・セキュリティタイム

全国協会が発刊している月間業界紙です。ひと月800円となっています。発行元が全国警備業協会となっていますので、警備業検定試験などの特別講習の日程や変更詳細、近年、盛り上がりを見せているセキュリティプランナーなどに関する情報、業界最新内容も豊富に掲載です。各都道府県協会事務局で購入できます。バックナンバーはウェブサイトで閲覧できますがパスワードが必要となっており、最新号を購入しないと読めないようになっています。(2022年11月現在)

・特別指定講習の講師

警備業界には警備技能検定などさまざまな検定試験があります。それぞれの講習には講師がいます。首都圏の講習は、ふじの研修センターで実施される場合が多いため、東京圏の最新の情報を収集するためには技能講習の研修をふじの研修センターにして、研修を受けつつ講師へ質問を行い最新情報を得ることも一つの方法です。ただし、この方法は確実に講師が首都圏の勤務なのか?講師が情報に精通しているのかどうか不明な点もあるため、あくまで業界紙での収集をメインとした方が良いかと思います。

・警備会社の組合やネットワーク

首都圏以外の警備会社間の組合や集まりを利用して、最新の動向を収集する方法となります。場所によっては、積極的に勉強会や研修会を開催している場合もあります。そのような場所で意見交換と合わせて情報収集を行うことも可能である場合があります。しかしながら、情報源の信頼性は乏しい場合が多くなっている点は注意が必要です。なぜなら、参加者は主に警備会社の代表者であることが多く、自社の経営状況に関わる事項については秘匿する事も考えられるからです。いわば、都合が良い内容のみ発信されるリスクは考慮上での収集が必要です。

・都道府県協会事務局

各都道府県に設置される公安委員会の動向などの情報を多く持っていることがあります。公安委員会は警備業界を管理管轄していますので、実務に対して非常に有効な情報を得られる可能性があります。事務局からの情報を得るために、特別講習の講師になることもより精度が高く深い情報を得るために有益な方法となります。

・警備保障タイムズ

2012年発刊された業界誌となります。発起人や会社役員に有数の会社の役員、専務理事の名前が並んでいます。警備新法と同じく月間3回1日、11日、21日の発刊スケジュールとなっています。年間購読料金は30000円(税別)全国送料無料にて、郵送対応を行っています。インターネット上でも最新号のトピックを読むことができるため、購読と合わせて最新の業界動向もインターネットを通じて概略を取得することができます。

・警備業に関するサイト

マイナビの調査によると、求人を探す際にホームページを用いる人は、全体の約30%、スマートフォンの求人アプリを利用する人は約15%と増加しています。合わせて約半数が、インターネット経由で仕事を探していることとなります。(参考 マイナビバイト https://nalevi.mynavi.jp/legal-data/data/11919/ )警備業に関するまとめサイトも多数ありますが、総合の求人サイトで業界を選択することでより多くの警備会社を見つけることができます。また、いきなり正社員は難しいと思っている方も、アルバイトやパートからスタートできる求人も多数掲載されていますので、探してみることをおすすめします。

・警備会社間のコミュニティ

警備業界内の勉強会やセミナーが独自に開催されています。セミナー募集サイトなどで勉強会などの開催が随時行われていますので、そのような場所に参加することで同業他社の人脈を広げることができ、業務の幅が広がるようになります。

まとめ

警備業界は、今後ますます需要が増大することが予想される業界ですが、拡大と人材の不足が顕在化している状況です。今後より生活に密着してくる中で、自動化効率化が求められていますが、人による業務は必ず必要となっています。さまざまな媒体を通じて情報集を行い、自身にとってベストな就業先の選択をしていきましょう。

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