警備員といってもいろんな警備があります。具体的には4つの区分に分かれており1号~4号と名称で区分けされています。どの警備員にも護身術は必要なのでしょうか?
要人の警備において護身術は必要というのは直感的に分かりますが施設などの警備員にも必要でしょうか?護身術の経験が全くなくても警備員になることはできるのでしょうか?
今回の記事では警備員にとっての護身術の扱いについてまとめてみました。警備員を目指す方にとっては知っておいて損は無い内容となってます。ぜひ最後まで記事を読んでいってください。
警備員の護身術は必要?スキルの身につけ方について解説
警備員に護身術は必要です。1号警備の施設警備であっても2号警備の交通整備であっても警備員として現場の警備にあたる以上はその現場で何が起こるか分からないためです。
実際に不審者が現れてしまった場合に最初に頼りになるのが警備員です。護身術の最低限の知識はもっておかないと自分自身の身の安全を守ることもできません。
警備員になると30時間近い護身術の研修を受けることが必須とされているため未経験者でも安心して警備員になることはできます。
ここからは次の内容について詳しく解説していきます。
・警備員にとっての護身術とは?
・1号警備~4号警備までどのような護身術が必要なのか?
・最初の研修以外にも訓練を受けるような場所はあるのか?
ではみていきましょう。
護身術とは
護身術はよく格闘技と比較されますが実態は似て非なるものです。最大の違いはそれぞれの目的にあります。格闘技は相手に勝つことを目的としていますが、護身術は自分や家族の身を守ることを最大の目的とします。警備員の場合はお客様を守ることも目的に入ります。
相手をノックアウトするのではなく危険から逃げる時間を稼ぐことを目的としています。格闘技の場合は、お互いが体重を合わせてリングの上でゴング開始と同時に殴り合いをします。
一方で護身術は相手に不意に襲われたところからのスタートで、かつ相手の方が何倍も体格が大きい相手の可能性もあります。非常に不利な条件の中で自分自身を守ることが優先となるため最終目的は「倒す」のではなく「逃げる」となります。
警備員にとっての護身術も同じ考え方で「守る」ことを主目的としています。一般の護身術では素手がメインですが警備員の場合は護身用具を使う護身術も学びます。
護身用具としては次のようなものが与えられます。
・警戒棒
・警戒杖
・さすまた
・非金属製の盾
相手が武器を持っている場合や自分よりも体格が良い相手に対しては、護身用具を使用することが許可されています。ただし緊迫している状況で瞬時に護身用具を使うべきか否かを判断するのは非常に難しく経験が求められます。
交通警備や雑踏警備ではこれらの護身用具の保持はできません。施設警備や身辺警護など限られた警備業務のみ保持が許可されます。基本的には素手での護身術を使用して身を守ることが多いです。
警備員に護身術は必要?
警備員は護身術を必ず学ぶ必要があります。元々の体力に自信があるかたや小さい頃から喧嘩で負け無しだった、などのように自分には護身術なんて不要だと思う警備員もいるかもしれません。
警備員は確かに体力勝負なので体力に自信があるのはとてもいいことですが護身術が必要かどうかはまた別の話です。なぜなら護身術は「相手を倒す」のではなく「自分自身または身近な人を守る」ためのものだからです。
体力だけでなく知識も必要です。護身術を発揮することが無いような現場でも警備員としてその場を任されている以上は何が起こるか分からないと思っていたほうが良いです。
実際に不審な人物が現れたときには、たった一人で対処する必要もあります。小さいお子さんや高齢の方などが近くにいるかもしれません。そんなときにその現場で頼りにされるのは警備員です。万が一のためにも護身術を身につけておいて損はありません。
また警備会社では入社した人員に対する護身術の研修を必須としています。最低30時間の研修を受けることになります。
警備員の護身術の種類
警備員が学ぶ護身術は次の2種類あります。
・素手による護身術
・護身用具による護身術
どちらの護身術も相手を攻撃するよりは自分を守ることを主に学びます。
警備業務は業務内容から4つの区分に分かれています。
・1号警備 ・・・施設警備
・2号警備 ・・・交通誘導、雑踏警備
・3号警備 ・・・運搬警備
・4号警備 ・・・身辺警備
素手による護身術はどの警備区分でも必要な内容となります。不審者と対峙しない現場など無いからです。不審者が現れる可能性が0%の現場はありません。
警備員はいかなる場合でも護身術の研修を受けたものが警備を行う必要があり、そのことにより施設利用者などが安心して利用できる環境を作ることができます。
護身用具による護身術に関しては許可された警備員のみが行えます。例えば警戒棒については、2号警備のような緊急性の低い現場では所持が認められません。
1号の施設警備は現場によっては所持が認められます。3号、4号の警備については比較的危険な現場が想定されますので所持が認められます。
むやみやたらと警戒棒が使えるわけはなく、適切な状況下においてのみ使用が認められます。相手が武器を持っている場合や自分よりも体格が大きい場合のみです。基本的には素手による護身術が推奨されています。
護身術の身につけ方
護身術の身に付け方の一つに「研修」があります。警備員になると最低20時間以上の護身術の研修を受けることが法律で定められています。
会社によって異なりますが、実際には30時間の研修を受けることが多いです。この30時間の研修で警備員としての護身術の基礎を学ぶことが出来ます。
護身術や武道の経験が無くても最初の研修できっちりと基礎から教えてもらうことができるため未経験でも心配する必要はありません。基本の構えや不審者をいかに刺激しないようにするかなど警備員でなくても役立つ知識ですので受けておいて損はありません。
もう一つの身につけ方に「訓練」があります。4号警備の身辺警備はいわばボディーガードです。要人から依頼を受けてボディーガードとして警備を行います。
通常の警備と比べて要人が危険に襲われる可能性は高いです。ボディーガードとして仕事をしていくのであれば訓練は必須といえるでしょう。警察とは異なるため逮捕はできません。不審者から自分自身や警備対象者を守るのが大前提です。
そのうえでボディーガードは相手を取り押さえるスキルも必要になります。ボディーガード向けの訓練を形式化している国際ボディーガード協会という団体もあります。国際ボディーガード協会の訓練は合計300時間の訓練で500項目の身辺警護に関する教育を受けます。
ボディーガードとしての物事の考え方から始まり、実際に使える技術的な内容など幅広い訓練となっています。国際資格も用意されていて認定されると認定バッジを受け取ることができ、国際的なボディーガードとして活躍することもできます。
まとめ
警備員にとっての護身術の必要性についてまとめてみました。護身術は相手を攻撃するものではなく自分自身や警備対象者を不審者から守るための技術です。相手を倒して逮捕するというものでは無いということを理解する必要があります。
相手を刺激しないように説得し襲われたときに相手を取り押さえるスキルです。護身用具も相手が武器を持っていたりする場合のみ使用許可が下りるので積極的に相手を攻撃すると思っていると大きな勘違いを生みやすいです。
護身術は警備員にとっては必須のスキルであり社員として入社すると30時間近い研修を受けることになります。どの区分の警備についたとしても護身術は必要ですが、特に1号警備、3号警備、4号警備については護身用具を使用した警備を任せられることもありえます。
特に4号警備の身辺警備はボディーガードとして危険な立場に身を置くことも必要になる仕事です。ボディーガードは専用の訓練も用意されているため、さらに上を目指したい人は資格取得を目指していっても良いでしょう。
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