防災センターでの勤務で役立つ資格は?資格の種類や試験について解説!

防災センターにおいて勤務している警備員の方でキャリアアップを考えている方や、また防災センターへの就職を考えている方向けに、防災センター勤務で役立つ資格5選をまとめてみました。

防災センターとは、建物における火災に関する監視と消防設備の制御を行う管理施設です。不特定多数の人に利用される建物には、防災センターを設置することが消防法で定められています。

今回紹介する資格はいずれも働きながら目指しやすい資格であり、また、勤務経験や知識がそのまま結びつくことも多いため勉強しやすい資格であると言えます。ぜひ、最後まで読んでいってください。

目次

防災センターでの勤務で役立つ資格は?資格の種類や試験について解説!

防災センターでの勤務で役立つ資格5選は次の5つです。
・消防設備士
・危険物取扱者
・消防設備点検資格者
・防火対象物点検資格者
・防災管理点検資格者

それぞれ難易度も異なりますし、費用も大きく異なります。この記事ではそれぞれの資格について
・どういった資格か?
・どうすれば資格が取れるか?
・資格の難易度は?
このような内容について詳しくみていきます。

防災センター勤務で役立つ資格。消防設備士とは

「消火設備」「警報設備」「避難設備」の設置工事や点検整備を行うことの出来る国家資格です。消火器やスプリンクラー、自動火災報知設備などが対象設備となります。

甲種と乙種の2種類あり、さらにそれぞれ区分分けされていて、全部で13種類の資格種別があります。区分によって管理できる設備が異なるため、設備に合った資格を取る必要があります。

甲種乙種ともに一番人気は「4類」が一番人気です。4類は「自動火災報知器」の管理、整備を行うことが出来る資格ですので防災センター勤務者にとっても4類は持っていると重宝する資格となります。

甲種、乙種の違いは「工事を請け負えるかどうか」にあり、甲種が工事を行うことができますが、その分資格を取るにあたって受験資格があるため注意が必要です。

乙種は受験資格は特にないため、誰でも受けることが出来ます。防災センター勤務をしながら受験することも出来るので、まずは乙種から取得を目指していくのが良いと思います。

消防設備士の試験内容

試験は全国各地で実施されていますが、地域によって開催頻度が異なります。東京は開催頻度が高く、年に3~7回実施されていますが、岡山、山口、宮崎、鹿児島の各県と沖縄の諸島では年に1回のみとなっており、自分が受験する地域の開催頻度はあらかじめ確認しておく必要があります。

資格試験の合格率は
甲種 →30.8%
乙種 →36.7%
となっており、決して合格率が高い試験ではないことが分かります。

取得にかかる費用は
甲種 →5700円
乙種 →3800円
また、別途免状交付手数料として2900円がかかります。

受講の必要が無いため、他資格のように数万円単位での費用はかかりません。費用面では狙いやすい資格であるといえます。防災センター勤務としても役に立ちますし、汎用性の高い資格であるため就職にも役立ちます。

有利な条件で企業から求められるためにも取っておきたい国家資格であると言えるでしょう。

防災センター勤務で役立つ資格。危険物取扱者とは

消防法に基づいた危険物を取り扱うことの出来る国家資格です。

「危険物」と一概にいっても定義によって様々ですが、危険物取扱者における「危険物」は消防法によって定められた危険物となります。消防法によって定められた危険物は、火災の危険性が高い物質をまとめて「危険物」と称しています。

資格には甲種、乙種、丙種の3種類があります。甲種はすべての種類の危険物の取り扱いおよび立ち会いが出来ますが、乙種は6分類に区分されていて、資格保有の区分しか取り扱うことが出来ません。

丙種は、乙種4類に区分される「引火性液体」のみの取り扱いが出来て、乙種4類と違い危険物の立ち会いを行うことは出来ません。一番人気が高いのが乙種の4類で、最も需要の高い資格でもあります。

危険物取扱者の試験

地域によって開催頻度は異なりますが、半年に1度以上の頻度で開催されています。
また、一番人気の高い乙種4類については、東京都では毎週開催されています。全国どこの試験会場でも試験を受けることができるため、隣県で自分の欲する試験があれば該当する県で資格試験を受けることも出来ます。

合格率については、受ける分類によってかなり異なります。特に人気の高い乙種を見てみると、R4年の合格率は
・1類 →68.6%
・2類 →69.1%
・3類 →70.5%
・4類 →32.3%
・5類 →70.5%
・6類 →68.6%

このように、基本的には70%近い合格率ですが
一番人気の乙種4類に関してのみ32.3%とかなり低い合格率となってます。

取得にかかる費用は
・甲種 →6600円
・乙種 →4600円
・丙種 →3700円
また、別途免状交付手数料として2900円がかかります。

危険物取扱者の資格も費用はそこまで高いものではありませんが、乙種4類だと合格率は一気に下がるためしっかりと勉強して臨む必要がある資格です。

危険物取扱者の資格も、消防設備士同様に汎用性の高い資格であるため就職にも役立ちます。有利な条件で企業から求められるためにも取っておきたい国家資格であると言えるでしょう。

防災センター勤務で役立つ資格。消防設備点検資格者とは

消防設備点検資格者は、消防設備の点検を行うことができる国家資格です。消防設備は必要なタイミングで正常に使用できるように定期的な点検が義務づけられています。消防設備点検資格者はこの定期点検を行うことができます。

消防設備士の資格との違いについては
・消防設備士 →工事、整備、点検が行える
・消防設備点検資格者 →点検のみが行える
という違いがあります。

消防設備士と比較すると点検しかできないため少し劣って見えますが、この資格を1つ持っているだけで消防設備士の分類よりも広い区分での設備の点検を行えることが出来るためメリットはあります。

消防設備点検資格者には3種類の分類があります。それぞれの消防設備士との対応は次のようになっています。
第一種 →消防設備士の1類、2類、3類、6類
第二種 →消防設備士の4類、5類、7類
特種  →消防設備士の特類
これを見ても、消防設備点検資格者保有者が広い区分で点検を行うことが出来ることが分かります。

消防設備点検資格者の試験

3日間の講習の後に、最後に2時間の試験があります。また、試験合格後にも5年ごとの再講習が求められます。

試験については、合格率は直近の2021年で96.5%であり、過去5年間のいずれの年も94.5%以上となってます。試験の難易度はかなり低めとなっています。

試験費用については、講習があるため高めの費用となってます。基本的には32,384円かかります。※科目免除者は30,384円

費用は高めではありますが、3日間の講習を受けて難易度低めの試験に合格するだけで、消防設備の点検が行えるようになるため魅力的な国家資格であるといえます

防災センター勤務で役立つ資格。防火対象物点検資格者とは

不特定多数の人が利用する建物を「防火対象物」と称しますが、この防火対象物の総合的な点検を実施できる国家資格が防火対象物点検資格者です。

平成13年9月の新宿歌舞伎町ビル火災を契機に平成14年4月に消防法が改正され、専門的な知識を有する防火対象物点検資格者が用途の実態や、防火管理の実施状況などを総合的に点検しその結果を消防機関に報告することが義務づけられました。

資格保有者は、常に最新の知識をもって総合的に点検を実施できるように5年ごとに再講習を受ける必要があるため注意が必要です。

防火対象物点検資格者の試験

4日間の講習の後に、最後に2時間の試験があります。試験については2021年には合格率92%となっており過去5年間も87%以上の合格率です。資格試験としては難易度は低めと言えるでしょう。

費用については、講習があるため高めです。最大で38,784円の費用がかかり、各種科目免除があったとしても最低でも31,384円かかります。

講習があるため費用は高めではありますが、4日間の講習を受けて合格率高めの試験を通ればとれる国家資格です。建物の総合的な点検を担うことが出来る国家資格ですので、保有しておくと役に立ちます。

防災センター勤務で役立つ資格。防災管理点検資格者とは

消防法において定義されている大規模建築物の防災管理業務の実施状況の点検、消防機関への報告を行うことの出来る国家資格です。

防火対象粒点検資格者と似てる部分も多いですが、まず、点検する対象物が異なります。また、火災に対する備えを行うのが「防火対象物点検資格者」であるのに対して、地震などの自然災害に備えを行うのが「防災管理点検資格者」です。

防災管理点検資格者は、監督的な地位にある場合においては防災管理者になることが出来ます。大規模建築物は「学校」「図書館」「ホテル」「百貨店」など対象となる建物は多くありますので、この資格を持っていると就職などでも役立てることが出来ます。

防災管理点検資格者の試験

次の6つの項目のいずれかに該当する、受験資格が必要です。誰にでも受けられる資格ではありません。

1 防災管理者として、3年以上その実務の経験を有する者
2 防災管理講習修了者で、5年以上その実務の経験を有する者
3 市町村の消防職員として防災管理業務について、1年以上その実務の経験を有する者
4 市町村の消防職員として、5年以上その実務の経験を有する者(前3項に掲げる者を除く。)
5 市町村の消防団員として、8年以上その実務の経験を有する者
6 防火対象物点検資格者として、3年以上その実務の経験を有する者
参考元:https://www.fesc.or.jp/jukou/bokakanri/kousyu/tebiki1.html

2日間の講習と、最後に1時間の試験があります。合格率については2021年で97.2%とかなり高い合格率となってます。講習も2日と短く合格率も高いため、受験要件さえ満たせればかなり魅力的な資格と言えます。

費用については18,800円、または免除講習科目によっては17,700円となっています。こちらも、講習自体が短いこともあり、今回紹介する資格の中では低めです。

立場によっては大規模建築物の「防災管理者」となることも可能です。就職が有利になる資格でもありますが、キャリアアップとして狙っていってよい国家資格であると言えます。

まとめ

防災センターでの勤務で役立つ資格5選について見てみました。
・消防設備士
・危険物取扱者
・消防設備点検資格者
・防火対象物点検資格者
・防災管理点検資格者

消防設備士、危険物取扱者については難易度こそ高いですが、資格取得出来れば更なる資格や職につなげることができるキャリアアップに繋げやすい資格です。

また消防設備点検資格者、防火対象物点検資格者については、費用はかかりますが講習さえ受ければ資格の難易度はそれほど高くありません。防災センターとしての職にもプラスになる内容となってます。

防災管理点検資格者については、受験資格が厳しいですがこちらも責任のある職に繋げることのできる資格です。

警備員として防災センターに勤務しているのであれば、どれも狙っていきたい資格です。ぜひ、今回の記事を参考にして取れる資格を整理して、自信のキャリアアップに繋げていってみてはどうでしょうか。

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