大型商業施設やオフィスビル、病院などで施設の安全を守る仕事としてビルメンと施設警備があります。ビルメンと施設警備には、どのような違いがあるのでしょうか。
ビルメンと施設警備の違いを知ることで、あなたがどのような仕事に向いているのかを見極めることができます。ビルメンと施設警備は、仕事の目的や業務内容、目指すべき資格が異なります。
そこで今回は、ビルメンとは何か、施設警備とはどのような違いがあるのかを解説します。また、ビルメンの主な業務内容も合わせてお話ししますので、ぜひ参考にしてください。
ビルメンはどんな仕事なの?
ビルメンとは、「ビルメンテナンス」の略称であり、大型商業施設や病院、オフィスビルなどの施設全般の設備の点検やメンテナンスを行うのが主な仕事です。施設において快適に過ごすために、設備管理や点検、メンテナンスは必要不可欠です。
具体的には、電気設備や空調設備、ボイラー設備などの管理や点検を行い、不具合があれば修繕など適切に対処することが求められます。
ビルメンは、建物の管理や点検業務を行うことが多く電気設備や空調設備、消防設備など知識や技能を磨くことは必須です。そのため、施設の設備に関する幅広い専門知識を身につけるために、さまざまな資格を取得する必要があります。
建物の設備や機械に興味があり、継続的に資格取得を目指せる方や設備管理業務の専門知識を身につけたい方におすすめの職業です。
ビルメンと施設警備の違いとは?
ビルメンテナンスと施設警備は、建物の管理や点検、保全を業務にするか建物や利用者の安全を守るための防犯に関する業務にあたるといった違いがあります。
つまり、ビルメンテナンスは建物内の電気設備や消防設備、空調設備などが、正常に作動しているのかをチェックします。もし、設備に異常を見つけたら、迅速に原因を追及して対処することが必要です。
それに対して施設警備は、施設内にて利用者が快適に過ごすために巡回業務や入退館受付、駐車場管理、緊急時の対応などの業務にあたります。施設内外の防犯に関する業務が多い仕事ですが、消防設備の要領の確認など、施設内に設置されている設備を把握することも必要です。
もう1つビルメンと施設警備の大きな違いとしては、取得しておくべき資格が異なることです。まず、ビルメンが必要となる主な資格として以下の4つが挙げられます。
・第2種電気工事士
・危険物取扱者乙種4種
・2級ボイラー技士
・第3種冷凍機械責任者
ビルメンとして、専門的な知識や技能を身につけるために必須の資格になります。他にも、難関資格として以下の3つがあります。
・第3種電気主任技術者
・建築物環境衛生管理技術者
・エネルギー管理士
管理職を目指したい方やスキルアップをしたい方は、取得するべき資格でです。ビルメンに関する専門資格は、さまざまな種類があり難易度も異なります。実務経験を積みながら資格取得を目指すことをおすすめします。
電気設備やボイラー設備に関する専門資格を取得すると、設備管理者として業務の幅が広がります。そして会社内において、昇進や昇給の可能性も高くなり、転職にも有利です。
一方、施設警備において求められる資格として以下の資格が挙げられます。
・施設警備業務検定(1級・2級)
・警備員指導教育責任者
・自衛消防技術認定
・防災センター要員講習および自衛消防業務講習
・上級救命講習
ビルメンとは異なり、火災や事故などの事案に対して、迅速に対応するために、必要な知識や技能を学ぶための資格が多いです。施設警備に関する資格だけでなく、防災センター内の防災盤などに必要な知識や技術、人命を助ける応急処置などの専門知識を身につけます。
防災センター要員や自衛消防技術認定など、共通する資格もあります。現場によっては、施設警備員ではなくビルメンが防災センターで勤務するケースもあるので取得しておいて損はないでしょう。
ビルメンと施設警備は、どちらも施設の安全を守るために欠かせない重要な仕事です。同じ施設内で勤務することは珍しくないため、火災などの非常時に連携して対処することが重要です。そのため、日頃からビルメンと施設警備は、情報共有して協力体制を整えておくことが求められます。
ビルメンの主な業務内容
ビルメンテナンスは、大きく分けて以下の4つの業務があります。実際に、どのような業務内容なのか具体的に見ていきましょう。
・清掃管理業務
商業施設やビル内の掃除や景観の整備、設備の汚れやほこりを取りのぞく清掃業務があります。施設内に設置されている設備を定期的に点検をして、壊れていないか、汚れていないかをチェックするのです。
特に、電気設備や消防設備、空調設備などはホコリや汚れがあると不具合を起こす原因になります。そのため、メンテナンスをしっかりと実施して正常に作動できるのかを確認することが重要です。
・衛生管理業務
商業施設やビルなどの衛生的な環境づくりを行うのが衛生管理業務です。定期的に空気や飲料水、排水溝などを検査して、常に清潔な状態に保つように努めることが大切です。
・設備管理業務
商業施設やビル内に設置されている排水設備や照明設備、防火設備などさまざまな設備の検査業務を実施します。検査にて設備に不具合があれば、早めに専門業者に依頼するなど適切に対処していくことが必要です。
・建物・設備保安業務
商業施設やオフィスビルにおいて、外観を含めて建物や設備の状態を確認する保安業務を行います。施設利用者が安全に利用できるように、施設内の設備に不具合を防ぐために必要な業務です。
建物の設備におけるトラブルを未然に防ぎ、常に快適な状態を維持するためには保守点検が必要不可欠です。基本的にビルメンは、中央監視室にて施設内を監視して、設備のトラブルがあれば現場にて異常の有無を点検します。
そして、設備に不具合を発見したら修繕またはメンテナンスを実施して、設備の状態によっては専門業者の手配を行うなどの業務もあります。そのため、各設備の仕組みや稼働状況などを把握しするために、専門知識や技能を身につけることが大切です。
まとめ
ここでは、ビルメンとは何かと施設警備の違いについて解説しました。どちらも、特別な資格がなくても働くことが可能であり、建物の安全を守るために重要な役目があります。しかしビルメンと施設警備として働くにあたって、業務内容や取得する資格など大きく異なります。
基本的には、建物の設備管理や点検などの業務を行うのがビルメンであり、巡回業務や入館者受付など施設内外の防犯を行うのが施設警備です。
そして、ビルメンは第2種電気工事士や危険物取扱者乙種4種などの設備に関する専門資格を取得することが必要です。一方、施設警備は施設警備業務検定(1級・2級)および警備員指導教育責任者などの施設警備に関する資格の取得が求められます。
ビルメンは、衛生管理業務や設備管理業務など設備に関する幅広い知識や技能を身につけることが必要です。そのため、現場で経験を積むとともに、より専門性の高い資格を取得することで、年収を高めるだけでなく転職も有利になります。
ビルメンと施設警備は、どちらも建物を管理して安全を守る上では重要な仕事です。ビルメンと施設警備は、どちらもやりがいのある仕事なので、自分に適した業務を選びましょう。
(画像は写真ACより)
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