ビルの施設警備業務とは?警備員はどんな仕事をしている?

都市部では限られた土地を有効活用するためにたくさんのビルが建ち並んでいます。オフィスビルには多くの企業が入居しているほか、都市部のホテルは宿泊の需要を見込んでビルが高層であることが多いです。

これらのビルでは警備員が施設警備を行っており、安全な状態が保たれています。ビルの施設業務で警備員が行っている業務の内容についてみていきます。

目次

ビルにおける施設警備の内容

オフィスビルやホテルなど、ビルの施設警備では、ビル内の安全確保を目的として、主に下記の業務を行っています。

・施設巡回
・防犯カメラのモニターの監視
・防災警戒 など

それぞれの業務の内容について説明します。

施設巡回

施設警備のメインとなる業務は、施設内の巡回です。

オフィスビルには多くの企業が入居しているほか、規模の大きなビルには商業施設が入居していることもあります。

そのため、オフィスビルは企業で働く人のみならず、ビル内に入居している企業に訪問する人や、商業施設の利用者など、多くの人々が利用します。

また、ホテルには宿泊客が宿泊するほかに、ホテルで開催されるイベントに参加したり、各種会合に出席したりする人も訪れます。

このように、ビルは多くの人がさまざまな目的で利用しています。ビルの利用者が安全な状態で過ごすためには、警備員によるビル内の警備は必須といえます。

巡回中は、ビル内に不審者はいないか、不審物が置かれていないか、火災が起きそうな気配はないか、という点をチェックします。

防犯カメラのモニターの監視

施設警備では防犯カメラのモニターの監視も行います。

警備員は、ビル内の安全を点検するために巡回業務を行っていますが、ビル内には多くの階層があり、ビル内の全てを警備員だけで全て監視することは困難といえます。

ビル内を常に監視できるようにするためには、防犯カメラの設置が効果的です。防犯カメラが撮影している画像をモニターでチェックすれば、モニター室にいながらビル内の状況を常に監視できます。

もし、カメラのモニター越しに不審な動きが見られたら、現場に向かって状況を確認し、状況に応じた対応を取ります。

防災警戒

ビルの施設警備で重要な業務として「防災警戒」があります。防災警戒とは、施設内で災害などトラブルの発生を防ぐために、警戒しながら警備に当たることです。

特に、ビル内で火災が発生した場合、高層階ほど避難が難しくなるため、多くの犠牲者を出てしまう可能性があります。

そのような状況になることを防ぐために、施設警備の警備員は防災警戒の業務を重点的に行っています。

防災警戒において行われる警備の内容は、施設巡回と防犯カメラの画像をモニターで監視することです。

施設巡回を行うときには、火災などの災害が発生する気配がないかどうかを十分にチェックします。また、防犯カメラのモニター画像を確認しながら、施設内で何らかのトラブルが起きてないかどうかを確認します。

なお、大規模なビルには「防災センター」が設けられています。ビル内の防災センターでは、火災などの災害発生を防犯カメラのモニターで確認できるほか、ビル内に設置されている消防設備の操作も行えます。

防災センターでは、消火設備を遠隔で操作しながら初期消火を行うことも可能であり、火災による被害を最小限に食い止められます。

ビル内での災害発生を防ぐために、そして、災害が発生した場合の被害を最小限に抑えるためにも、防災警戒の業務は重要といえます。

ビルの施設警備はきつい?

ビルの施設警備がきついと感じやすい場合としては、下記があげられます、

・トラブルの対応を行っているとき
・夜勤を行っているとき
・業務が単調に感じるとき

それぞれの場合について説明します。

トラブルの対応を行っているとき

巡回警備中に何らかのトラブルが発生し、その対応に当たっているときは、きついと感じることがあります。

巡回警備中に起こりうるトラブルとしては、不審者の侵入、不審物の発見、火災や地震など災害の発生などのほか、具合が悪くて座り込んだり、倒れたりしている人への対応も必要となります。

特に、夜間に一人で巡回警備をしているときに、体格が大きい不審者を発見すると、どのように対応すれば良いのかと不安な気持ちになりがちです。

しかし、警備員として警備に当たっている以上、トラブルを解決するための行動を取らなければなりません。必要に応じて警察や消防に出動を依頼することも必要でしょう。

トラブル対応で頭を悩ませないためには「トラブルが起きたらどのように対応するか」をあらかじめ想定しておくことが大切です。

夜勤を行っているとき

施設警備がつらいと感じる場面として、夜勤を行っているときがあげられます。

夜勤は夕方から朝方までの勤務になることが多く、拘束される時間が長時間にわたります。しかも、業務は深夜におよびます、仮眠の時間が確保されているとはいえ、業務中は眠気に耐えなければならないこともあります。

巡回しながら施設内を歩いている間は眠気が多少は楽に感じられることもありますが、巡回が終わった後、モニターを監視する業務では眠気に襲われてしまうこともあるでしょう。

特に、警備員になったばかりで経験が浅いときほど、夜勤中のトラブル対応が大変だと感じやすく、業務がきついと感じやすくなります。

業務が単調に感じるとき

警備員の業務を行っていると、トラブル対応を行っているときが大変に感じられますが、逆に、全くトラブルが起こらず、業務が単調に感じるときもきついと感じてしまうことがあります。

警備員の業務は、トラブルが特に起こらなければ施設の巡回と防犯カメラのモニターの監視がほとんどとなるため、業務が単調に感じてしまいます。

しかも、夜勤は業務の時間が長いため、単調な業務のみではなかなか時間が過ぎず、眠気も加わって苦痛に感じてしまうこともあるでしょう。

このように、警備員によっては単調な業務がつらいと感じることもあり得ます。

施設警備の仕事は楽に感じる場合も

ビルの施設警備はきつく感じることがある反面、見方を変えれば楽に感じる場合もあります。

例えば、施設警備の場合は商業施設の警備とは異なり、接客対応をする機会は少なめです。そのため、接客が苦手な人や、黙々と仕事をしたいと考えている人にとっては、仕事がしやすいと感じることでしょう。

また、警備を行っている日にトラブルが発生しなければ、業務は施設の巡回と防犯カメラのモニターの監視のみとなるため、業務の種類は少なくて済みます。

先述したとおり、単調な作業が苦手に感じる人もいますが、少ない業務で済めば楽に感じる人もいます。

警備の業務がきついと感じるか、楽に感じるかは個人差がありますが、場合によっては楽に感じる場面もあるといえます。

まとめ

ビルにおける施設警備の内容には、施設の巡回や防犯カメラのモニターの監視、防災に対する警戒があります。

巡回中やモニター画面の監視中に、不審者の発見など何らかのトラブルが発生したら、ビル内における被害の拡大を防ぐために、必要な対応を取ります。

施設警備の仕事は、トラブルの対応中などにきついと感じることもありますが、特にトラブルが発生しなければ、楽に感じることもあります。

ただし、トラブルが発生した場合は、ビル内での被害の拡大を防ぐためにも、気を引き締めて対応しなければなりません。警備員の役割は、ビル内の安全を保つことであると理解したうえで、日々の警備を行いましょう。

(画像は写真ACより)

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