警備員になるために格闘技や武道の経験は必要?

目次

はじめに

一般的に警備員の仕事というと体力、忍耐力が必要であるとイメージされることが多いのではないでしょうか。警備員の業務では施設内を徒歩で移動したり、同じ場所で長時間立ち番をしたりと実際に体力、忍耐力が必要な仕事内容もあります。

体力、忍耐力が求められるのは、警備員の仕事内容によって異なります。警備員の仕事は業務の内容により、第1号警備から第4号警備に分類されています。

第1号警備業務は、施設へ出入りする人の管理や、施設内を見まわり盗難・事故などを未然に防止します。第2号警備業務は、工事作業現場や駐車場などの交通誘導や、イベントでの雑踏警備を行い、トラブルや事故を防ぎます。第3号警備業務は、現金や貴重品、高級美術品などの輸送時に、窃盗団や強盗に盗まれないよう警戒を行います。第4号警備業務では、警護対象者のそばで警戒を行い、ボディガードとして警護対象者の安全を守ります。

これらの業務の中には、体力や忍耐力が必要なだけでなく、武道、格闘技の経験があると業務上活かすことのできる業務もあります。

警備員に武道や格闘技経験は必要?

警備員のイメージというと、力強い、いざという時に頼りになる、守ってくれるというイメージがあると思います。実際に安心、安全を守ることが警備員の仕事です。

では、強さの象徴でもある、武道や格闘技の経験がないと警備員の仕事は勤まらないのでしょうか。実際のところ、武道や格闘技の経験がないと務まらないとまでは言えません。

武道、格闘技の経験があると業務上役に立つ警備員の仕事もありますが、武道、格闘技の経験がなくても警備員の仕事は全然問題なく行うことができます。

では、どういった業務であれば、武道、格闘技経験がなくても問題ないのでしょうか。それは、先ほど説明した第1号警備業務、第2号警備業務であれば、武道、格闘技経験が全然なくても問題ありません。

第1号警備業務では、施設に出入りする人の管理や施設内の見回りを行います。業務中に誰かと格闘する場面はほとんどないと考えられます。

第2号警備業務では、工事作業現場での交通誘導やイベントでの雑踏警備が主な仕事になります。第2号警備業務も、業務中に誰かと格闘する場面はほとんどないと考えられます。

武道や格闘技経験が活かせる業務

では、どういった警備業務であれば武道、格闘技経験が活かせるのでしょうか。それは、第3号警備業務、第4号警備業務であれば、武道、格闘技経験が活かせるのではないでしょうか。

数多くある警備員の仕事の中でも第3号業務にあたる現金や貴重品の輸送や、第4号警備にあたる身辺警護では、襲撃されるということを想定して警備をしないといけません。

第3号警備業務では、現金、貴金属、高級美術品を運ぶ際に発生する強盗事件を防ぐのが仕事内容です。強盗の襲撃に備えておく必要があります。武道や格闘技の経験があれば、強盗が襲撃してきた場合にも対処できますので、武道や格闘技の経験を就職・転職活動時にアピールすれば有利になるといえます。

第4号警備業務では、警護対象者と行動をともにし、不審者から警護対象者を守るのが役割です。不審者が警護対象者を襲撃してきた際には、警護対象者をいち早く襲撃してきた犯人から遠ざけることももちろん大切ですが、犯人の制圧も重要な仕事です。

こうした仕事内容であるため、犯人を制圧する際に、武道や格闘技の経験が活きてくるのは間違いないといえます。

第3号警備業務について

ではここで、第3号警備業務について、詳しくお伝えしましょう。第3号警備業務とは貴重品輸送時や、核燃料物質等危険物運搬時の移動車両の警備を行います。

貴重品輸送警備とは金銭的に非常に価値が高いものを輸送する際に強盗や盗難から守ることが目的です。主に輸送されているのは、現金、有価証券、貴金属、美術品等です。核燃料物質等危険物運搬警備業務では、核燃料物質や核燃料物質によって汚染された物等を運搬する際の盗難や事故の防止を目的としています。

輸送中の警備では、対象物品が積載された自動車や列車などに同乗して行います。町中で銀行などの金融機関に警備会社の専用の輸送車両を乗り入れ、警備員が警棒・盾・防護ベストを着用し、周囲を警戒しながら対象物品を持ち出す様子を見たことがある方もいると思います。

第3号警備業務に求められるスキルを見ていきましょう。第3号警備業務の場合は、対象物品を窃盗団や強盗から守ることが最も重要な仕事内容になります。犯人の襲撃、盗難、事故を防ぐために、周囲に不審者がいないかを観察する能力や、輸送ルートの選択、トラブル発生時の迅速な対応ができる人が適性があるといえます。

また、犯人が襲撃してきた際に武道、格闘技の経験があると、犯人からの攻撃を回避することや、犯人の制圧を行うこともできるため、適性があるといえます。

第4号警備業務について

では次に、第4号警備業務について、詳しく見ていきましょう。
第4号警備業務とは、警備業法第二条第一項第四号に規定されており、要人警護などの身辺警護のことをいい、一般的にはボディガードといわれています。

警護対象者が命の危険にさらされることや、暴行をうけるおそれがある場合、警護対象者のすぐそばで周囲に危険人物がいないかを警戒し、警護対象者の身の安全を保証するのが仕事内容です。

身辺警護の要点は警護対象者と行動をともにし、危険から対象者を守ることです。イベント参加時や歩行中、自動車への乗車時など警護対象者の周囲をしっかりとガードし、襲撃する隙を見せないことが重要となります。

警察ではなく民間警備会社が第4号警備業務の受注する案件としては、有名人や社会的な地位が高い人の場合が多いといわれています。

第4号警備業務を成功させるためには、警備に関する充分な知識と豊富な警備経験も必要になってきます。豊富な警備経験があれば、トラブル発生時にも冷静に対処できるといえます。

過去の警備経験や事例から、どういった場面でトラブルが発生しやすいかを予測しながら事前の計画を作成することや、警備当日に行動することができるはずです。

では、どういった特技があれば第4号警備業務の適性があるでしょうか。周囲の観察力、危険察知力ももちろん重要ですが、犯人が襲撃してきた際に警護対象者を守ることができる能力が何よりも大事です。

そのため、武道、格闘技経験がある人は第4号警備業務の適性があるといえます。犯人が襲撃してきた際には、犯人の攻撃をかわし、犯人を制圧する必要があります。

柔道経験者であれば押さえ込みの技があります。ボクシング経験者であれば犯人が殴りかかってきたとしてもかわして対処することができます。武道、格闘技で経験したことが活きてくるのは間違いないといえます。

まとめ

いかがでしたか。警備員になるために武道、格闘技の経験は必須ではありませんし、業務中に格闘する可能性がほとんどない業務もあります。

しかし、今回ご紹介した第3号警備業務や第4号警備業務では、犯人が襲ってきた場合、犯人と格闘する可能性や、警護対象者を危険から遠ざけるという状況もおこりえます。

そういった時に武道、格闘技経験が活かされるのは間違いないといえます。武道、格闘技経験がある場合は、第3号警備業務、第4号警備業務への職業適性をアピールできると思います。

貴重品輸送警備やセキュリティなどの身辺警護に関する警備会社への就職・転職をお考えの場合は、ご自分の武道、格闘技経験をどのように業務で活かせるのかをアピールすると面接担当者に好印象を残せるでしょう。

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