警備員として警備会社に入社する際には、必ず健康診断を受ける必要があります。警備業法において、警備員として働くための要件の1つとして定義されています。
警備員は、体が資本となるので常に健康状態を管理することが重要です。また、正社員だけでなくアルバイトも健康診断を受ける必要があることを知っておきましょう。
ご自身の現在の健康状態を把握することで、無理せずに警備業務ができます。また警備会社は、警備員の健康状態を知ることができるので、業務の調整がしやすいです。
そこで今回は、警備員が健康診断を受ける必要があるのかと受診のタイミングはいつになるのかについて解説します。また、健康診断の項目や健康診断を受けないとどうなるのかをお話ししますので、ぜひ参考にしてください。
警備員は健康診断を受ける必要がある
警備員として雇用された際に、健康診断をすることが警備業法で定められています。なぜなら、警備業法の要件に適しているのかを証明することが必要になるからです。麻薬やアルコールの中毒者は警備員として働くことができません。
また、精神疾患や持病などを持っている方は医師の診断に基づいて働けるのかを確認します。警備業務を行うにあたって、必要な認知や判断能力、意思疎通が適切に行われるかも見極めることも必要です。
特に、警備員の年齢層が60代と高めの方が多く、健康面だけでなく認知面において問題なく仕事ができるのかを確認することが必要です。そして体力の衰えや認知の低下などにより、警備業務に支障をきたすリスクを回避できます。
火災や事故などの緊急事態においても、即座に対応するためにも健康状態を把握することは重要です。定期的に健康診断を実施することで、警備員として安心して業務に携わることができます。
健康診断でかかる費用は、警備会社が負担することが多いです。ただし、すべての健康診断の費用が会社負担とは限らないので、事前に確認することをおすすめします。健康診断を自費になると、2,000~10,000円程度です。
基本的には、警備会社が指定する病院や健康センターなどで、健康診断を受診します。警備会社が前もって、勤務の調整や病院先に健康診断の予約をすることが多いので、問題なく受診できるでしょう。
健康診断の受診のタイミングとは?
警備員として働く際に、健康診断を受診するタイミングはいつ頃なのでしょうか。会社は、入社の時と年1回の検診を行うのが一般的です。
・入社時
警備員として警備会社に入社する際に、研修期間に健康診断を受ける必要があります。警備会社は、健康状態を把握することで安心して勤務できるのかを確認できます。もし、既往歴や手術歴があっても医師の診断において、警備業務に支障がなければ問題はありません。
もし体に不調がある場合は、前もって伝えることが必要です。問診票にて、既往歴や手術歴があるのに、何も書かないと大きなリスクとなるので気をつけましょう。入社時に、ご自身の持病やアレルギー症状の有無をしっかりと伝えることで、会社も勤務の調整がしやすいです。
また医師の診断において、再検査や要治療などの指示がある場合は、しっかりと治療することが望ましいです。体に不調がある状態で勤務すると警備員だけでなく、警備会社にも損失になるので注意しましょう。
・年1回の定期検診
基本的に、警備員は年1回の定期検診を受診する義務があります。また深夜業務に従事する警備員は、半年に1回の定期検診を受けることが必要です。警備員は、健康を保持することが必要ですが、本人では気づかないうちに体に病気を抱える可能性があります。そういった隠れた病気を早期に発見することが大切です。
健康診断を行うことで、自分の現在の健康状態を把握できます。もし、体調に関して不安なことがあれば、医師や保健師などの相談することをおすすめします。
特に、50~60代といった年齢が高い警備員は、体力や認知の衰えがあらわれると業務に支障をきたす恐れがあります。業務中に倒れる、事故を起こすなど影響が出る可能性があるので注意が必要です。健康診断にて再検査の指示があれば早めに受診しましょう。
健康診断の内容とは
健康診断は、警備業法の視点から警備員として適格なのか、業務に支障がないかを確認するために必須です。現在の状態を測定や検査を実施して、医師の総合的な判断を記載した健康診断書を作成してもらいます。
警備員として必要な健康診断の内容は以下の通りです。
・身長や体重、腹囲
・視力や聴力検査
・胸部X線
・血圧検査
・貧血検査
・肝機能検査
・血中脂質検査
・血糖検査
・尿検査
・心電図検査
・診察
上記の項目を検査するとともに、既往歴や業務歴の調査、自覚症状や他覚症状なども合わせて確認します。健康診断で、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの病気の疑いがあると再検査になります。
別途料金が発生しますが、婦人科検診や腹部エコーなどのオプション検査を受けることも可能です。特に、女性警備員は定期的に婦人科検診を実施しておくことで、女性特有の病気を早期発見しやすいです。健康診断は、女性が対応するのも珍しくないので気になることがあれば相談してみましょう。
健康診断を受診しないとどうなるのか
健康診断は、正社員だけでなくアルバイトも受診する必要があります。もし、健康状態に何らかの問題があったとしても、警備員として勤務できます。
しかし警備員として働くためには、心身ともに健康であることが求められるので、健康診断での医師の診断は必須です。また健康診断を受診する要件としては、有期雇用期間が1年以上予定されている者や1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上ある場合も対象となるため、アルバイトや契約社員も該当します。
健康診断は、法律的に定められており、受診しなかった社員がいると法律違反で会社が罰金を科せられてしまうのです。そのため会社は、正社員やアルバイトに対して、健康診断を確実に受診するように促すことが求められます。
会社が健康診断の予約をしたのに、受診しなかったらご自身の負担となり、病気になったら不利となるのです。特に、警備員は現場によっては、体力や心理的な面において負担になるケースがあります。そのため、ご自身が気づかないうちに高血圧や糖尿病などの生活習慣病に陥るリスクが高まります。
元気に長く仕事を続けるためにも、仕事が忙しくても定期的に健康診断を受診することが大切です。
まとめ
ここでは、警備員は健康診断を受ける必要があるのかと受診のタイミングについてご紹介しました。警備会社へ入社する警備員は、正社員とアルバイト問わず健康診断を受ける必要があります。
警備員として適しているのか、心身ともに健康なのかを診断します。また、アルコールや麻薬中毒者が発覚すると働くことはできないので健康診断で確認することが必要です。そして、精神疾患や持病がある場合は、医師の診断により警備業務が可能なのかを知ることができます。
その他に、警備員は50~60代で年齢層が高いことから、体力だけでなく判断能力や認知、意思疎通が適切にできるのかもチェックします。
健康診断のタイミングとしては、警備会社の入社時と年1回の定期検診があります。健康診断の費用は、会社が負担することが多いです。勤務の調整や病院や検診センターなどに予約をしてくれる会社もあります。
警備員として働き続けるのなら、定期的に健康診断を受診して自分の現在の状態を把握することが必要です。警備業務は、心身ともに健康であると楽しく働けるでしょう。
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