警備報告書とは?記載内容や書き方について解説

どの仕事にも「日報」というものが存在しますが警備員にも日報に該当するものはあります。警備業界ではそれを警備報告書と呼んでいます。

日報というと、大体が形骸化してしまうことで毎日同じような内容を記載するだけの事務的なものになりがちです。ただし警備業界にとって警備報告書は非常に重要な役割を担っています。また警備報告書をしっかりと記載できる人は仕事の評価にもつながりやすいです。

今回の記事は警備報告書をなぜ書かなければいけないのか、またその書き方のポイントについて記載してますのでぜひ最後まで読んでいってください。

目次

警備報告書とは?記載内容や書き方について解説

警備報告書は日報です。その日の警備業務の内容について日時や場所、起こった出来事などを決められた書き方に添って記載し提出するものです。

警備先へ提出したあとに上司へ最終的に提出するもので、自分自身がどういう警備を行ったかなどを管理する側を含めて共有するものです。記載のしかたによっては自身の評価を下げることにも上げることにもなる重要な書類です。

今回の記事では次の内容について解説します。
・警備報告書をなぜ書くのか?
・警備報告書の作成ポイント
ではみていきましょう。

警備報告書とは

警備報告書は簡単にいえば警備業界における「日報」です。その日の業務内容について報告も兼ねて詳細な情報を記載して共有します。各警備員から情報を一元管理してデータとして残して翌日以降の警備に役立てます。

日報は形骸化してしまい「特に異常なし」をついつい連続して書いてしまいがちですがこれでは意味がありません。どんな些細なことでも良いので異常を共有することが大切です。ただの日々の記録ではなく今後の改善につなげていく必要があります。

何か異常が起きたときに次の2つに分けて考える必要があります。
・再現性のある内容か?
・一時的な異常か?

再現性のある内容であればそれがどの現場にも共通している再現性なのか?または今回の現場特有のものか?これらによっても再発防止策は変わってきます。

例えば次のような異常が起こったとします。「警備対象施設の駐車場に深夜2:00に暴走族が集まってきた」この内容の場合はこの現場特有のものであってかつ再現性はかなり高いです。この報告を受けた警備会社は警備の人数を増やしたり警察に相談したりするなどの対応を取ることができるでしょう。

警備報告書はただの日報ではなく情報を共有して次の警備に繋げていくデータベースになります。昔は紙ベースで警備報告書を管理していることが多かったですが、最近は警備報告書をクラウドで管理できるサービスも出てきています。

警備報告書だけではなく警備業の全体をデータベース化しクラウド管理できるサービスもあるため勤怠管理から紐付けして給与計算まで一元管理できます。警備報告書も膨大なデータをサーバー上で管理できるため検索も容易になり、全てデータで管理できるため紙の節約にもなります。

警備員も紙にペンで書く警備報告書から少しずつパソコン上で入力する作業にシフトしていかなければいけません。

警備報告書を作成する目的

警備報告書を作成する最も重要な目的はクライアントとの信頼関係の構築です。各警備員がそれぞれの現場で書き上げる警備報告書は実際に警備を行ったという何よりの証拠になります。

また提出された報告書が詳細に記載されることでクライアントは施設の状況を細かく知ることができます。異常が発生した場合はなぜその異常が起きてしまったのかと、その異常が今後繰り返さないかどうかをクライアントは気にします。

警備報告書は、現場にいるものしか知ることができない情報を広く共有することができる唯一のツールです。

また、上記以外にも次のような目的があります。
・警備員の仕事の把握、管理
・警備先のリスクの顕在化
・警備内容や方法の見直し材料
・クライアントへの報告

警備報告書の作成は警備員の仕事の「見える化」につながります。警備員は自分の会社で業務を行うことはほぼ無くて施設やイベント先など各現場に派遣されて業務を行います。警備業務自体も一人で行うことが多いため各警備員がどの現場でどのような仕事をしているかが見えるようにする必要があります。

警備報告書を人単位で管理することでその警備員がどのような現場を経験してきたかを見ることができます。管理する側は警備報告書をよく読み適切な場所に適切な人材を派遣する必要があります。

リスクの顕在化については、警備員が現場レベルでは気づかなかったリスクに警備報告書を通して管理者が気づくこともあります。複数の現場を俯瞰で見ることもできるため、どういう現場にリスクが潜んでいるかを警備報告書を通して見ることができます。

このように警備報告書は警備業界にとって日々の経験を蓄積した財産となります。

警備報告書の記載内容

記載する内容は会社毎に書き方は異なりますがおおむね次の内容となっていることが多いです。
・隊員名
・開始時間
・終了時間
・業務実施内容
・天気
・備考
記載内容は、まずは警備先に確認をしてもらいOKが出たら自社の上司に提出します。

項目としてはあまり表立って出てくることはありませんが、自分がミスをした内容は必ず記載するようにしましょう。ミスをした内容を記載してしまうと自分自身の評価が下がってしまうと思いがちです。ですがミスは誰にでもあります。

ミスをした内容を隠して業務をしてしまい後々発覚した場合に著しく評価を下げることになってしまいます。また、問題が顕在化せずに別の大きな問題を引き起こすきっかけになる可能性もあります。

ミスをした内容はしっかりと提出し報告をするようにしましょう。ミスの内容について自分なりの見解と、次回同じことを起こさないようにするにはどうすればいいかという業務改善の提案も一緒に記載することができればむしろ評価を上げることも出来ます。

作成のポイント

警備報告書は会社で決められている書き方通りの内容を空欄で埋めるだけではNGです。それでも良しとしている会社は多くあるのも事実ですが、その内容では警備先も上司も納得してくれません。

警備報告書は自分自身の評価に直結する業務日誌です。重要なポイントを抑えてしっかりと自分の業務をアピールしましょう。

作成のポイントとなるのは次の3点です。
・異常は詳細に記載する
・ミスは絶対に隠さない
・読まれる警備報告書を書く
1つ1つみていきましょう。

異常は詳細に記載する

警備報告書の一番の意義は現場の警備員からの「異常」の吸い上げです。警備員が感じた異常な出来事や、またはそれにつながる些細なポイントから今後の警備に関する異常を事前に防ぐこともできます。

異常が起こるということは何かしらの要因があり、その要因が一時的なものなのか常に潜んでいるものかによっても対処を変える必要があります。異常をしっかりと定期的に提出して報告してくれるほうが警備先としても安心して任せることができます。

隠れた問題を発見できる警備員として自身の評価アップにも繋がりますので、しっかりと状況を見て報告を心がけるようにしましょう。

ミスは絶対に隠さない

これも自身の評価を最終的にはアップすることができるポイントの1つです。ミスは誰にでもありうる内容です。それを隠して後々発覚してしまうと評価を著しく下げてしまいます。またそのミスが原因で大きな問題に発展する可能性もあります。

ミスをしたことを隠さずに報告することは警備先の信頼にも繋がります。ミスを報告する場合は自己分析してなぜそのミスが起きたのか、システム上の問題提起につなげることができれば自身の評価をむしろプラスにすることができます。

読まれる警備報告書を書く

警備先に読んでもらえる報告書になるよう意識することが重要です。日報は形骸化して毎日同じことを書いてしまいがちです。これでは報告を受けるほうも読む気にならなくなりますし本当に警備を行っているか疑いの目を向けられるようになります。

警備は毎日違うことが起こります。些細な変化に気づくことが出来るようしっかりと警備をしていることをアピールするためにも、毎日の変化を見逃さずに報告書にしっかりと落とし込みましょう。

事務的に仕事をこなすのではなく現場にあった警備を常に考えながら業務をこなすことで見えてくる問題点もあると思います。業務改善につながる指摘を報告書に記載できるようになれば警備先からの信頼を得ることができますし、継続した業務提携にもつながります。

そのためには「読んでもらえる報告書」である必要があります。

そして記載した内容については自身の警備業務に常に反映していかなければなりません。責任を持って業務に取り組む姿勢にもつながってきますので、警備報告書は毎日しっかりと書き上げて提出しましょう。

まとめ

今回の記事では警備報告書について記載内容や書き方についてまとめてみました。警備報告書は簡単にいうと「日報」にあたるものですが、警備先の会社への業務報告も兼ねるためしっかりと記載する必要があります。

日時や場所など基本的な書き方は決まっていますが、重要なポイントは次の3つになります。
・異常は詳細に記載する
・ミスは絶対に隠さない
・読まれる警備報告書を書く
異常が発生した場合や、またはこれから異常が発生しそうな内容を警備によって発見し報告する目的もあります。

また自分自身のミスも評価を下げることを恐れずにしっかりと共有する必要があります。クライアントや上司への提出物になるためしっかりと読んでもらえる文章を心がけましょう。

警備報告書は日々の記録だけではなく自分自身の評価にも繋がる重要な報告書になります。毎日の警備に対して気を抜かずに行うことで見えてくる些細なできごとをしっかりと記録し、警備内容をより良いものとしていけるようにしていきましょう。

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