テーマパークやイベントなどでたくさんの警備員が働いている光景をよく見ます。警備員は24時間勤務であることと人数の多さも相まってシフトを組むのが大変そうなイメージです。
警備員の派遣先が複数ある場合はより複雑なシフトになることは予想がつきます。勤務体系も複雑になりがちな警備員のシフトや派遣先をまとめているのが管制業務という仕事の人たちです。どの警備会社においても管制業務は必須の業務であるため、正社員として需要が無くなることがない職業といえます。
警備業界には珍しく内勤でデスクワークの仕事内容です。現在警備員で働いている方や未経験のかたでも管制業務というのが気になっている方はぜひこの記事を最後まで読んでいってください。
警備員の管制業務とは?業務内容やなるための方法を解説!
警備員の管制業務とは取引先からの要望に応じて適切に警備員を配置する警備員のまとめ役の仕事です。取引先とのコミュニケーションや配置する警備員とのコミュニケーションなど様々な相手と交渉をする仕事であるともいえます。
実際の警備に回ることはあまり多くなく基本的には内勤のデスクワークが主体となります。警備の仕事は基本的には体力勝負の立ちっぱなしの仕事が多い中で管制業務はデスクワークです。
体を動かすよりも、頭を動かしたり人と話したりするのが得意だと考えている人にとっては魅力的な仕事であるといえます。
今回の記事では管制業務の仕事について次の内容で解説します。
・管制業務とは具体的にどんな仕事か?
・管制業務に必要なスキルは?
・管制業務に就くにはどうすればいいか?
1つ1つみていきましょう。
管制とは?
一般的な「管制」という用語の意味は国などの公的機関が特定の行為について管理したり制限したりすることを指します。航空交通管制というと航空機の運用を安全に行うために管制塔から各航空機に対して指示や情報を出す機関を指します。
警備業界での「管制」は警備管制と呼ばれるもので現場に警備員を配置する仕事を主として行います。警備員は基本的には体力勝負の仕事ですが警備管制の場合はデスクワークがほとんどです。各警備員と警備員を依頼する会社の間に入って調整役を取り持ちます。
各会社とやりとりを行いそれぞれの要望に従いながら現在稼働している警備員を配置していきます。警備員はそれぞれがスキルや個性が異なるため誰をどこのどの時間に配置するかなどの作戦立てが必要となります。全体を俯瞰して総合的に判断する能力が求められます。
管制業務の内容
管制業務の主な仕事は次の3つになります。
・取引先との調整業務
・警備員の配置検討
・警備員との調整業務
まず朝出勤後は翌日の配置について取引先と最終調整を行います。この調整にミスがあると全責任は自分に覆い被さってくるため非常に重要な仕事です。各取引先の警備内容や時間帯を把握し間違いが無いように入念に確認を取ります。
午後からは警備員の配置検討を行います。現在の警備員の勤務状況やスキルを考慮して各取引先へ警備員を配置していきます。このとき夜勤や当直などがある場合は警備員を休ませることも考えなければなりません。取引先の要望を満たせるような人員配置を考えていきます。
配置が確定したら警備員一人一人と最終調整を行います。警備員は一人一人が個性がありそれぞれ働きたい熱意やスキル、正社員か契約社員かどうかもみんな全く違います。それぞれの警備員の特徴をつかんで人員配置する必要があります。
稼働が多い警備員は夜勤が続いたりして体調を崩してしまう場合などもあります。そのようなイレギュラーなケースにも慌てず対応できるように調整を行います。全ての人員配置の調整が完了したら取引先に報告して業務完了です。
取引先との調整や警備員との調整などコミュニケーション能力が問われる仕事内容です。いかに円満に物事を進めるかがポイントになってきます。
完璧な人員配置というのもなかなか難しく必ずクレームは入ります。例えば当日になって警備員が現場に現れなかったり、または警備の途中で何かしら不手際があったり、それらのクレームは管制業務担当へくることが多いです。
また配置されている警備員側からも勤務体系に関するクレームがきます。中間管理職のようなポジションのためそれぞれの相手に納得のいく理由で謝罪しなければならず、強いメンタルが求められる職でもあります。
管制業務に必要なスキル
取引先からの要望を把握して現在のリソースを正しく割り当てるという点においては、全体を俯瞰で把握して適切な処置をとっていくマネジメントのスキルも必要です。
また取引先や各警備員との調整も必要なためコミュニケーションスキルも必要です。どうしてもクレームが集まりやすいポジションのため、日頃からコミュニケーションを取っておくことで実際にミスが起こってしまった場合の揉め事を和らげることも必要になります。
何気ないコミュニケーションを普段から仕事仲間と取れるような人が向いている職業であると言えます。
業務のほとんどが内勤のデスクワークであるため体を動かしたい人にはあまり向きません。一般的な警備員をイメージして職につくとイメージとのギャップに戸惑うかもしれません。
管制業務は警備業界の中でも異質な仕事であるといえるでしょう。現場を巡回警備することはまれにありますがほとんどがデスクワークです。
管制官になるためには?
管制官は未経験でも正社員になることができる職業です。特別な資格なども必要ありません。管理能力やコミュニケーション能力が優れている人であれば誰でもなることができます。
面接ではコミュニケーション能力をアピールするためにもボソボソ話すようなことはせずハキハキと受け答えをしたほうが良いでしょう。
体力面ではあまり疲れない仕事です。働きながら資格取得をしていき警備員としてのキャリアアップを狙っていっても良いと思います。通常の警備業務だと一日中歩き回ることで仕事終わりは疲れてすぐ寝てしまうことが多いです。
管制業務であれば、責任は重大ですが体力的には余裕があるため資格勉強を帰宅後にすることも比較的やりやすいと思います。
管制官はいろんな人の要望を一手に受ける仕事のため責任が伴います。自分のミスで様々な現場や派遣される警備員など多くの人に迷惑がかかってしまう可能性もあります。
未経験者でもなれる管制官ではありますがプレッシャーに潰されない強いメンタルを持っている人でないと長く続けられないでしょう。
強いメンタルとコミュニケーション能力があれば上手く仕事を回せるはずです。自分の判断で様々な現場が円滑に動いていくのは達成感を得ることができる仕事といえます。
まとめ
今回の記事では警備員の管制業務について業務内容やなるための方法を解説しました。
管制業務は各取引先と自社の警備員をつなぐ橋の役割となります。取引先の要望をまとめて、要望に添うように自社の警備員の特性を考慮しながら配置していきます。その際にコミュニケーションを密に取りながら取り纏めていく必要があるためコミュニケーション能力が求められます。
また何かトラブルがあったときのクレームが集まりやすい立場でもあるためクレーム処理を行う必要があります。強いメンタルも必要な仕事です。
管制業務は未経験者でもなることができます。警備業界に興味はあるが立ちっぱなしの警備には抵抗を感じる方、頭を使って仕事をするほうが得意な方は目指してみても良いと思います。
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