高速道路を走行していると、道路片側での通路の補修を行っていることを良く見かけると思います。そのかたわらで常に警備員は事故発生の防止をおこなうために交通整理を行っています。今回、自動車専用通路や大型幹線通路の交通整理の仕事について詳細に説明します。
はじめに
警備員の業務は、一般の通路の交通整理以外にも、商業施設やコンサート会場、現金や貴重品の運搬など、さまざまな場所、様々な方法で警備を行っています。その中でも一番警備を行っている割合が高い警備業務が第二号警備業務である交通誘導警備業務となっています。その割合は、全国で約1万社ある警備会社の中で70%以上の会社でこの交通誘導警備業務を取り扱っているのです。(参考 令和3年度警備業の概況 https://www.npa.go.jp/ )
それほど、人気がある警備の業務である交通誘導の警備業務ですが、警備業務のなかでも一般通路ではなく、高速通路や大型通路での通行整理の特徴には、基本的に一定区間に通行止めにして、その走行を止めることににされた作業の間の場所において、トラックなどを交通整理したり、案内したりする仕事が行われています。高速道路のトラックや運送車が多く出入りしているので、トラックに対する注意が必要となっています。車両専用のため一般通行人や一般車両の通行はないため、工事車両に集中できる面では誘導が行いやすいとも言えます。
また、高速道路の場合は全面通行止めにすると利用者の利便性を大きく損なうため、道路の一部の区間のみを工事区域とすることで、片側通行として工事の影響を最小限にする方法を採る場合もあります。その場合は道路上の一部を工事区間として、その区間に関連する工事車両や一般通行車両を適切に誘導を行うことを行います。主には一般車両に対する事故発生、通行時の注意喚起を行う、工事に伴う車線変更などの誘導が主な仕事となります。
高速道路や大型道路を交通誘導する際に気を付ける点
高速道路は常に100キロ前後の速度の車が走行しています。その分、工事現場への気づきも遅くなりがちになります。高速道路警備員の仕事はその分常に危険がつきまとっています。警備中は一瞬たりとも気を抜くことができません。そして、夜間の作業も多いため、視界も日中と比較すると限られており、集中することで疲労も大きくなります。片側通行の誘導警備の場合には数多くの車両が高速で走行している中、保安機材の運搬、工事を行うための工事規制車、コーン標識、工事看板、矢印板、クッションドラム、仮設トイレなどのさまざまな機材の移動も工事現場の移動にともないはこびます。
交通規制の方法も一般道路よりより専門的な知識や技能が求められます。一般道における交通誘導と比較して業務内容が多くなっています。そのため、通常の交通誘導よりも給与は平均的に高くなっているケースが多いです。警備会社によっては、通常支給される給与とは別に帰省業務専用の手当も用意している会社もあるほどです。また、高速道路の交通誘導には国家資格者の配置を必須としている現場もあります。いわば、一般道路の交通誘導で経験を積んだうえでステップアップとして取り組む警備とも言えます。
高速道路や大型道路の交通整理の厳しい点
高速道路、大型道路を整理するうえで厳しい点はどのようなポイントなのでしょうか? まずは天気または気候といった外的な問題を受けやすい点になります。一般的に高速道路や大型道路の周りには日差しをさえぎり、雨や風をさえぎってくれるような建物は存在していません。屋内の施設警備や機械警備のように温度や湿度が一手に保たれているわけでもありません。そのため、屋内警備以上に体調の管理が必要となります。
続いて、高速道路には信号や交差点がありません。常に100キロを超えるようなスピードの車が通行している中を通行止めにするなど誘導しなければなりません。これは非常に危険な状況です。危険な状況だからこそ、臨機応変にチームワークをとって警備に当たらなければならないのです。万が一、風邪や疲労などがたまってしまっている状況で、高速道路の警備業務にあたってしまうと警備中の誘導判断の遅れや連係の遅れ、判断の遅れなどさまざまな面で生死にかかわるような重大な事故や怪我につながるリスクが発生します。
そのため、警備業務中は、交通規制の警備員同士で常に安全の確認を行い、緊張感をもって動いていかなければ、ドライバーの命だけでなく、自身の命を守ることはできません。高速道路や幹線道路には、トイレが近くにない場合があります。場合によっては簡易トイレの設置をおこなう現場もありますが、ないケースも多数あります。その場合には、トイレの我慢が必要になりますし、基本的には業務終了まで警備を行っている場所から離れることができないため、現場内にあるトイレ専用の車を使用することになります。
トイレ専用に準備されている車は、警備現場から数キロ離れている場合もあり、また他のチームメンバーと交代や連係が必要となるため、早めに申告をおこなわないと警備の現場は大いに混乱をしてしまいます。また、誘導中には通行するドライバーから心ない言葉をかけられる場合も出てきます。高速道路の場合はいそいでいるからこそ有料の道路を使っているため、焦りからそのような言葉をかけるのかと思われます。精神的にも強さが求められるケースが出てきます。
高速道路や大型道路の交通誘導にむいている人
では、どのような人が高速道路や大型道路の誘導に向いているのでしょうか?まずは、高速道路や大型道路の交通誘導業務は、他の施設警備業務や一般道路の業務と比較して、危険性も専門性も高いため給与の設定が高く設定されている場合が多くなっています。貯金がしたい。欲しいものがあるなど明確な目標がある方には交通規制の仕事はおすすめできます。また、体力に自信がある方も交通誘導にむいていると言えます。
常に屋外での業務となるため体調管理能力は必須ですし、高速道路の工事現場においては夜勤の場合も多くあります。生活リズムもくずれる場合もありますので注意が必要です。最後に個通誘導系の経験や資格を持っている方も向いています。交通誘導警備業務には、認定資格があります。法律において認定されているものになっており、交通誘導警備業務検定1級、2級、施設警備業務検定1級、2級、雑踏警備業務検定1級、2級、貴重品警備業検定1級、2級、核燃料輸送警備業務検定1級、2級、空港保安警備業務検定1級、2級となります。
また高速道路に関してはこれらの検定とは別に高速道路の誘導資格もあります。(参考 警備員特別講習事業センター http://www.csst.jp/09/09.html )この資格は、現場に一定数の配置が法律で定められているため、警備会社によっては、毎月の基本給とは別に資格に対する支給が行われたり、昇給幅がかわったりする場合があります。警備員として働く人にはこの資格を取得することを目的としている人が多いため、警備会社も積極的に資格取得の支援を行っている会社も多くあります。
まとめ
自動車専用道路や大型幹線の通行整理は、給与面が優遇している反面、非常に速い速度で通行する車に対する交通整理を行う事が多い、夜の間での作業が多いなど危険な面も多くあります。その分、やりがいも多くありますので、積極的に挑戦したい業務となります。
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