取得すると就職に有利?警備に関連する資格はどんな物がある?(1号警備編)

警備員の仕事は、特に資格を持っていなくても業務を行うことは可能ですが、警備に関連する資格を持っていると、利用者の安全を守ることができたり、建物の火災の発生を防ぐことができたりと、より質の高い業務を行えます。

また、警備に関する資格を取得しておくと、就職が有利になるメリットもあります。

この記事では、施設の警備や巡回警備など1号警備に関連する資格を紹介します。人々の安全を守るためにも、警備に役立つ資格について理解しておきましょう。

目次

警備に関連する資格

警備に関連する資格としては、下記のものがあげられます。

・防災センター要員講習(国家資格)
・自衛消防業務講習(国家資格)
・自衛消防技術試験(公的資格)
・防災士(民間資格)
・サービス介助士(民間資格)

それぞれの資格の内容について説明します。

防災センター要員講習

防災センター要員講習とは、東京都の条例に基づく「防災センター」に勤務し、総合操作盤などの監視や操作をする人が受ける講習で、東京都が実施するものです。

東京都では、大規模な建築物や高層建築物で火災が発生した場合に迅速に対応するため、一定規模以上の建築物には防災センターの設置が義務づけられています。

防災センターに設置されている総合操作盤とは、火災の発生や消火に関する設備を一元的に管理する装置で、各設備の監視・操作ができます。

総合操作盤を監視、操作することによって火災の発生を早い段階で感知できるほか、迅速に消火活動を行えるため、火災の拡大を防げます。

防災センター要員講習の概要

防災センター要員講習の対象となる人は下記の通りです。

・東京都が定める防災センターで、総合操作盤の監視と操作の業務を行う人
・消防法で定める自衛消防組織の統括管理者または本部隊の班長

講習は2日間にわたって行われ、火災が発生した場合にどのように対応するかについて、座学と実技で学びます。講習修了後に、講習で学んだことの効果測定を実施します。

講習の受講料金は35,200円(税込)です。

講習を受講した後は、5年ごとに防災センター実務講習の受講が義務づけられています。

自衛消防業務講習

自衛消防業務講習とは、消防法に基づいて定められている講習で、自衛消防組織の統括管理者、または本部隊の班長が必要とする資格です。

自衛消防組織とは、大規模な商業施設、ホテル、病院、工場など規模の大きな建築物において作られる組織で、火災などの災害が発生した場合に初期消火や避難誘導、消防署への通報を行い、災害の被害軽減を図ります。

自衛消防業務講習の概要

自衛消防業務講習は2日間にわたって行われ、自衛消防組織が果たす役割や防火設備についての知識などを学ぶほか、自衛消防組織の一員として災害に対応する訓練が行われます。

講習が修了した後に効果測定が行われ、その後、修了証が交付されます。

講習の受講料金は38,700円です。なお、科目免除が認められている場合は36,600円となります。受講料金はいずれも税込です。

なお、東京都では防災センター要員講習と自衛消防業務講習が同じカリキュラムで実施される関係で、講習の受講料金は35,200円となります。講習の修了後は2種類の修了証を取得できます。

また、東京都で自衛消防業務講習の科目免除の対象となる場合は、講習の受講料金は33,100円です。受講料金はいずれも税込となります。

講習を受講した後は、5年ごとに自衛消防業務再講習の受講が義務づけられています。

自衛消防技術試験

自衛消防技術試験とは、東京都の条例で定められている試験です。試験に合格すると自衛消防活動中核要員に認定されます。

自衛消防活動中核要員とは、いわば自衛消防組織のリーダーのような存在です。

火災などの災害が発生した場合に、火災や消火に関する知識と技能を持っている自衛消防活動中核要員が先頭に立って指揮をとり、積極的に行動することによって被害の拡大を抑える効果が期待できます。

自衛消防技術試験の概要

自衛消防技術試験は筆記試験と実技試験の2種類に分かれています。

筆記試験で問う内容は、火災や地震に関する基礎的な知識、消防関係の法令、自衛消防業務に関する実務についてです。

実技試験では、火災や地震が発生してトラブルに見舞われた場合の対応方法について出題されます。受験料は5,400円(非課税)です。

試験に合格すると「自衛消防技術認定証」が交付され、自衛消防活動中核要員として活動できます。

防災士

防災士とは、特定非営利活動法人 日本防災士機構によって認定された資格です。防災士の資格は「自助」「共助」「協働」の考え方に基づき、十分な防災意識を持ちながら、防災に関する知識と技能を身につけた人に与えられます。

防災士の認定は2003年から始まり、防災士認証登録者数は2022年10月末時点で約23万8000人となりました。

「防災士」という資格は耳にする機会が多く、資格者数も多いことから、身近に感じられる防災の資格といえるでしょう。

防災士の活動は、平常時は災害に対する備えを行うこと、災害が発生した場合は避難誘導や救出活動などを行います。

災害の多い日本においては、防災に関する知識を持っている人が多いほど、避難所の運営や復旧活動がスムーズに行えます。

防災士になるには

防災士になるためには、下記の手順を踏む必要があります。

・防災士養成研修講座を受講し、研修履修証明を取得する。
・研修履修証明を取得した後に、防災士資格取得試験を受験する
・救急救命講習を受講し、修了証を取得する
・防災士認証登録申請を提出する
・申請が受理されたら、防災士の資格が得られる

防災士の資格を取得する際にかかる費用は、防災士教本代が3,500円、防災士資格取得試験の受験料が3,000円、防災士認証登録申請の費用が5,000円(いずれも税込)かかり、合計11,500円となります。そのほか、防災士養成研修講座の費用が別途かかります。

講座の費用は講座を実施する団体によって異なりますが、一例をあげると、防災士研修センターが実施する講座の費用は53,900円(税込)となります。なお、防災士研修センターの費用は、教本を含めた教材代が含まれています。

また、自治体によっては防災士養成研修講座の費用を負担している場合があります。

サービス介助士

サービス介助士とは、高齢者や障害者など自分一人では日常生活を送ることが困難な人に対して、必要なタイミングで必要な手助けができる人に与えられる資格です。

サービス介助士は鉄道会社やバス会社などに勤めている人や、小売業や飲食業などサービス業の従事者が主に取得していますが、警備員にも役立つ資格といえます。

例えば、商業施設で警備を行っているときに利用者の介助を行えば、利用者としては利用しやすい施設だと感じることでしょう。

サービス介助士の数は、2022年11月時点で20万人を超えており、駅や空港、商業施設、飲食店、宿泊施設などさまざまな場所で利用者の介助を行っています。

サービス介助士になるには

サービス介助士になるためには、サービス介助士資格取得講座に申し込みます。受講期間は申し込み後最大12か月です。申し込みから資格を取得するまでの期間の目安は、仕事をしている人でも2か月程度となっています。

始めに、自宅にてテキストで学習を行い、学習が終了したら課題を提出します。問題数は100問で合格基準は60点以上です。60点未満の場合は再提出となります。

テキストでの学習が終了した後は実技講習を行います。実技講習は下記の方法のうちいずれかを選びます。

・オンライン講座(6~7時間相当)と対面による実技講習(1日)
・対面による実技講習(2日間)

テキストでの学習と実技講習が終了した後、検定試験を行います。試験は筆記試験50問で、70点以上で合格となります。70点未満の場合は再試験を行います。

受講料は41,800円です。なお、再試験を行う場合は別途3,300円がかかります。価格はいずれも税込です。

試験の結果が発表されるまでは、試験終了後2~3週間程度かかります。合格者には認定証が交付されます。資格の有効期限は3年間です。資格を更新する場合は1,650円(税込)の更新料がかかります。

まとめ

警備に関連する資格としては、防災や消防に関する資格のほかに、施設利用者のためにサービス介助士の資格もあります。

警備員の仕事は、人々の安全を守り、施設を警備することです。警備員がこれらの資格を持っていれば、火災などの発生を未然に防ぎやすくなるほか、災害が発生したとしても被害の拡大を抑えられるため、施設の利用者としては安心感が高まることでしょう。

利用者が安心して利用できる環境を維持するためにも、警備に関連する資格の取得を検討してみましょう。

(画像は写真ACより)

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