外国人でも警備員になれるの?採用の注意点は

日本での労働人口の減少は切実な問題となっており、警備業においてもそれは例外ではありません。広告などを見れば分かるように、警備員の求人は地域にもよりますが増加の一途をたどっています。他の企業では外国人労働者の増加が顕著に見られます。

では、警備業においても、外国人は警備業に勤めることができるのでしょうか。この記事では、外国人が警備員になれるのか、なれるとすれば何か特別な条件があるのかなどについて詳しく解説致します。

目次

外国人でも警備員になれる?

警備員になれない欠格要因として警備業法第14条に7つの項目が明記されていますが、その中に外国人という文言はありません。よって法律での解釈からすれば、外国人でも警備員になれると理解できます。

ただし、先に申し上げましたように、日本人であっても外国人であっても警備員の欠格事項に抵触する人は警備員になれないことを申し上げておきます。

7つの項目を簡単に言えば、未成年者(18際未満)は就労できない、暴力団などの反社会勢力に通ずるものは警備員になれない、アルコールおよび薬物の中毒者は警備員になれない、過去4年間の間に刑務所に入ったものは警備員になれないとされています。

薬物の中には日本では禁止されているマリファナなども入っており、海外では合法とされる場所もあるため注意が必要です。

まずは就労ビザの取得が必要

外国人が日本で働くためには就労ビザが必要で、ビザなしでの就労や旅行ビザによる就労は違法とされ、違法行為をした場合には本人だけでなく雇用した会社の責任も問われるため、不法就労となれば警備会社を続けられなくなることも考えられます。

また、就労ビザを取得すれば日本でも働けると簡単に言いますが、この就労ビザの取得が非常に難しいことは外国人の方は良くお分かりのことと思います。

まず、就労ビザを取得するには事前に就労する場所を明らかにし、本人が持つ労力に適性であるかを入管(出入国在留管理局)が厳しくチェックします。用意する書類も多く、全てそろったからといって必ず許可がおりるとも限りません。

就労ビザは単純労働を安い賃金で働かせようとする悪徳企業に利用されないために、単純労働を目的とする就労ビザは認めておらず、個人に必要な能力があり日本人と同等の賃金をもらえる能力を持つと認め人にだけ就労ビザを許可します。

また、就労ビザには種類が多く、就労する業務だけしかできない仕組みになっています。つまり、IT企業に勤めていたけど、今度は警備員に転職したいと思ったとしたら、別の種類のビザを取得しなければいけません。

そして、そのビザを取得する際には、あらためて新しい業種に対する能力が推し量られて、それに見合う能力がなければビザは下りず警備業に就きたくてもできないことになるのです。

申請書の中には就労先の警備会社の名前も書かなくてはいけなく、労働契約が結ばれていなければいけないのは当然なのですが、会社自体に問題があると判断された場合にも就労ビザは下りないことになっています。

このように、警備員の欠格事項よりも前に、就労ビザ取得という大きな難関を通過して、はじめて仕事ができる準備が整うことになることを、まず知っておきましょう。

外国人を雇用する際の注意点

日本で外国人を雇用するためには、いくつもの条件をクリアしなければいけないことは、前述の通りです。

とくに、ビザについては入管も非常に厳しく、期限や就労業務の内容まで詳しく記載されていますので、それに逸脱した行為とみなされれば、本人だけでなく雇った警備会社の責任も問われますので十分に注意しましょう。

ビザの確認

ビザの取得が難しいことは申し上げましたが、ビザには期間があることも覚えておきましょう。それぞれ、1年、3年などと定められており、延長したい場合には期限の到来前に更新手続きをする必要があります。

ただし、ビザの更新に時間がかかることも推測されるため、ビザが切れても有効期から2ヶ月の猶予が許されています。ただし、2ヶ月の間にビザ取得の不許可が言い渡された場合には、その時点で効力を失うことになりますので注意しましょう。

就労ビザは1人につき1つだけ発行されるものであり、そのビザに書かれている業種でしか就労することが許されません。現実的な話をすれば、「就労ビザ」と呼ばれる19種類の中に「警備員」として働くものはなく、申請しても許可が下りることは非常に難しいことです。

また、ビザを取得していても決められた職種以外で就労することは違法となり、雇用者側も不法就労助長罪などで罰せられるため、ビザを所持していることと、ビザの種類と有効期限は必ず確認してください。

就労ビザなしで警備員として働く方法

留学ビザなどで日本に滞在している外国人が飲食店などで働いているのを見たことがある方も多いと思いますが、彼らは「資格外活動許可」を申請し、許可を得て働いています。つまり資格外活動許可が下りれば、就労ビザがなくても日本で働くことができます。

ただし、資格外活動では、1週間の労働時間は28時間以内、1日の労働は8時間以内などと細かい制約があります。これもあくまでアルバイト雇用を前提としており、正規の労働者および正規社員に順ずる場合には就労ビザが必要となります。

ほかに就労ビザがなくても外国人が日本で働けるとすれば、日本で永住者としての権利を取得した人や、永住者の配偶者、日本人と結婚した配偶者などは、日本人と同じように好きな職業に就き仕事をすることが可能ですので警備員として働くことは問題ありません。

日本語力

首尾よく警備員のための就労ビザが取得できたとしても、警備員は有事のときにこそその手腕が問われる職業です。犯罪などの現場や災害が発生したときには、周囲の人たちを安全に誘導し複数の警備員が連携して対処にあたる必要があります。

そういった意味からも日本語力は非常に重要であり、緊急事態においても冷静に皆が理解できるような日本語を話す能力が問われます。

日本語のレベルは日本の英語検定と同じように、日本語検定というものがありN1~N5までの5段階に分かれます。N1が最も日本語力が高い検定であり、N5では基本的な日本語を理解できる程度となっていますが、雇用者としては面接の際に日本語力が実際にどの程度なのかを見極めておきことが重要です。

外国人向けの通訳もできる警備員の配置なども検討されてはいますが、あくまで日本語力をクリアしたうえでの可能性であり、働く本人のためにも日本語力は日本人と較べても平均以上のものが必要とされることを覚えておきましょう。

外国人が警備員になるにはビザ取得がカギ

外国人が警備員として日本で働くためには、現在の法律では非常に困難な状況といえます。ご説明したように、警備員として働くには就労ビザの取得が必要であり、これさえクリアすれば先は見えてくることは間違いありません。

しかし、ビザ取得にはいくつもの障壁があり、ビザなしでの就労は違法とされて処罰の対象にもなるため、雇用者は外国人を働かせるにあたり慎重にならざるを得ません。

働く人が圧倒的に不足している現在、外国人の雇用は大きな問題となり、将来の日本のためには門戸が開かれていくと考えられます。雇用する側も雇用される側も、日本の法律にのっとって正しく働くことが重要であり、雇用主と雇用される労働者が安心して働ける場所をつくることになるでしょう。

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