防犯設備・防犯装備と関連する資格は?警備員が取得するメリットについて解説!

警備員として身近にある防犯設備や防犯装置。これらに対する資格を取得していくことこそが警備員としてのキャリアアップに繋がる道であると言えます。

「警備員として働きながら、資格を取得していきたい」

このように考えている人にとっておすすめの資格を7つ紹介します。警備員としての仕事で触れる機会の多い設備や装置であるため、勉強もしやすく、また資格の中には警備の業務歴も要件となっているものもあります。

警備員として将来性のある資格を目指していきたいかたはぜひ最後まで読んでいってください。

目次

防犯設備・防犯装備と関連する資格は?警備員が取得するメリットについて解説!

一般的には以下のような定義がされています。
・防犯設備 ・・・ 施設に無許可で侵入しようとする人や車両を検知し、警報で威嚇または警備会社や警察へ通報する装置の総称
・防犯装備 ・・・ 一般的には「防犯グッズ」と称されるもので、イメージしやすいのは「防犯ブザー」「防犯スプレー」などです。※専門的な物になると「ヘルメット」や「ライオットシールド」「警笛」

これらの設備、装備に触れることの多い警備員として防犯設備、装備に関連する資格は知っておいたほうが良いでしょう。今回は防犯設備・防犯装備に関連する資格7選を紹介します。

・セキュリティ・プランナー
・セキュリティ・コンサルタント
・防犯設備士
・総合防犯設備士
・防犯装備士
・防犯装備士教育指導員
・防犯診断士

警備員からのキャリアアップを狙うならどれもおすすめの資格です。これらの資格について、この記事では次の内容について書いていきます。
・どういう資格か?
・資格を取得するメリットは?
1つ1つ詳しくみていきましょう。

セキュリティ・プランナーとは

セキュリティプランナーは、防犯や防災をメインとして警備の対象に最適な安全を実現するためのプランを策定し提案、そして実行することが出来ます。

この資格は、「この資格を持っていることで就ける仕事」というのは特にありません。ただし、警備業務において「警備計画」を策定する際に顧客に対して、安心感を持ってもらえます。

資格認定を受けると全国警備業協会から「証書」および「資格者証」の2つを受け取ることが出来ます。資格者証を持っていることで「セキュリティ・プランナー」の名称を使用することが出来ます。

企業としても「肩書き」が有るのと無いのでは企業イメージのアップにも繋がりますし仕事も振りやすくなります。警備の全体像を把握し、顧客に対して最適な計画を見せる必要があるため、幅広い知識と経験が求められる役割です。

セキュリティ・プランナーを取得するメリット

セキュリティ・プランナーを取得するメリットは次の2つがあります。
・取得難易度が比較的低い
・キャリアアップに繋げやすい

まず、学歴や職歴、資格の有無などの受験資格が必要なく、基本的には誰でも受けることができます。※ただし、以下の欠格事由に該当する場合は受験出来ません。

・満18歳未満の方
・破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者
・禁錮以上の刑に処せられ、又は警備業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を受けることがなくなってから5年を経過しない方
・最近5年間に、警備業法及び同法に基づく命令の規定等に違反し、又は警備業務に関し、警備業の要件に関する規則で定める重大な不正行為をした方
・暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第12条若しくは第12条の6の規定による命令又は同法第12条の4第2項の規定による指示を受けた者であって、当該命令又は指示を受けた日から起算して3年を経過しない方
・アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
参照元:https://www.ajssa.or.jp/business/securityplanner

3日間の講習と最後に試験があり、試験に合格すると資格認定となります。最後の試験の合格率は過去の平均は72.5%となっています。

難易度が易しいとまではいきませんが、70%以上の人が合格出来る試験であり、かつ、内容が「警備」に沿っているため警備員として経験があるかたであれば比較的合格が狙いやすい資格であると言えます。

また、セキュリティプランナーを保有することで警備のプラン立案時に説得力が出ることと、顧客への安心度を上げることが出来ます。会社内で上の地位を狙っていきたい人にとっては取っておくとメリットがある資格です。

さらに上位資格として「セキュリティコンサルタント」があり、セキュリティコンサルタントの受験資格として「セキュリティプランナーの資格を有する方」とあります。

セキュリティコンサルタントは年収も警備員の中では高い資格です。セキュリティプランナーを取って、さらにセキュリティコンサルタントを狙っていくことで、警備員としてのキャリアアップのプランを明確にすることが出来ます。

セキュリティ・コンサルタントとは

セキュリティプランナーの上位資格です。防災や防犯に関するプランの立案だけではなく、企業などに対してコンサルティングを行い、プランの策定、実行、そしてアフターフォローを担います。資格要件には「セキュリティプランナーの資格保有」が条件となっています。

令和2年3月末段階では123名が資格保有者となっています。セキュリティプランナー同様に、資格認定を受けると全国警備業協会から「証書」と「資格者証」の2つを受け取り「セキュリティ・コンサルタント」の名称を使用することが出来ます。

全国警備業協会としても「警備業の最高位の資格」と位置づけているくらい、警備業界で仕事をしていくうえでは重宝される資格です。

求められる役割も責任が重く、顧客のニーズに対して包括的に関わり他の分野の専門家と連携を取ることも求められます。警備員の中ではトップに近い役割であることからキャリアアップで目指すべき資格であることが分かります。

セキュリティ・コンサルタントを取得するメリット

セキュリティコンサルタントを取得する一番のメリットは「キャリアアップ」です。先述した通り、セキュリティコンサルタントには次の2つの大きな特徴があります。
・セキュリティプランナーの上位資格であり、セキュリティプランナーの資格保有者しか受験できない
・全国警備業協会として「警備業の最高位の資格」と位置づけられている

これらから分かる通り警備員としてのキャリアアップを考えているかたにとっては、この資格を取っておけば仕事上の立場の向上や取引相手への安心感向上などの警備業としての役割のアップを狙えるほか、転職などの際にもかなり有利に働く資格であると言えます。

セキュリティコンサルタントの資格取得の難易度はやや高めです。
・3ヶ月にわたりインターネットによる通信講習を受ける必要があります
・4週間毎に1度、理解度テストを受ける必要があり、ある程度の基準を上回らない場合その時点で脱落となります
・インターネット講習を受けた後に、3日間のオフラインの講習を受けます
・最後に修了考査に合格することで資格認定

このような手順をすべて合格する必要があるため、セキュリティプランナーと比較しても取得は容易でないことが分かります。また、受験費用も高めで50,600円かかり、さらに資格認定費用として5,500円かかります。

受験資格、受験費用、受講内容など含めて狭き門であることが分かりますが、だからこそ資格の優位性は高いです。警備業として働くのであれば目指すべき資格と言えるでしょう。

防犯設備士とは

防犯設備に関する専門知識をもとに、防犯設備の設計、施行、管理を行うことの出来る資格です。警察や自治体などの関係機関と連携が求められるため、地域の防犯専門家として活躍することができます。

防犯の考え方も時代とともに変化し、近年では「振り込め詐欺」や「サイバー犯罪」に対する知見が求められることもあるため常に需要の高い資格であると言えます。年々防犯に対する新しい知識が必要となるため、3年ごとの資格更新が必要となりました。

2020年4月以降に資格を取得したものは最新の知識を有しているものとみなされ「防犯設備士(優良)※通称 優良防犯設備士」と名乗ることが出来ます。

防犯設備士を取得するメリット

防犯設備士を取得することで上位資格の「総合防犯設備士」を狙うことが出来るのが最大のメリットです。警備員として働いているのであれば、キャリアアップのために総合防犯設備士はぜひとも狙っていきたい資格の一つです。

総合防犯設備士の資格要件に「防犯設備士資格取得後実務経験3年以上」という条件があるため、防犯設備士の資格取得は最低条件となっています。

また、近年では防犯機器の設置において「防犯設備士」を必須としている施行要件も増えてきてます。自治体からの依頼などで要件を満たすには防犯設備士を必要としているため警備業の会社内でも優位な立場を保つことが出来る資格の一つです。

試験合格率も70~80%と比較的難易度は低い資格です。かつ、警備の普段の業務と重複する内容が多いため警備員として取りやすい資格といえるでしょう。

総合防犯設備士とは

防犯設備士の上位資格です。防犯設備士に求められる「防犯設備の施工、設計、維持管理」に加えて、総合防犯設備士は次のような上位資格ならではの仕事が求められます。
・防犯設備の診断
・監査
・コンサルティング
・防犯設備士の指導、育成
・防犯活動のリーダー的存在
これらの内容を見ても、職務として上の立場が与えられることが分かります。

警備員としては、セキュリティコンサルタントと並ぶ、上を目指すにはぜひ狙っていきたい資格です。近年では飲食業界などの新しい安全基準であるHACCP制度と提携し防犯環境を構築することが求められるなど、従来の防犯設備の管理からさらに業務内容を拡大しています。

総合防犯設備士を取得するメリット

総合防犯設備士は、警備員の中でも上位の資格であるためこの資格をとることで明確なキャリアアップを狙うことが出来ます。求められる職務も、「管理」や「コンサルティング」「指導」などが与えられるため、体よりも頭を動かす仕事が多くなります。

そのため警備員としてのキャリアの中での将来像として総合防犯設備士を取得することは、職務の立場向上や自分自身の価値向上に繋げることができる資格であると言えます。

総合防犯設備士の受験資格は「防犯設備士」を取得していることが最低条件です。その上で実務経験が3年以上あれば筆記試験を受けることができます。また、実務経験6年以上、かつ3年以内の資格更新などの特殊な条件をクリアしていれば「講習認定」という方法で資格を取得することもできます。

防犯設備士の資格をとり、警備員として実務を積んだ経験が活かせる資格ですので、警備員としてキャリアアップを目指すかたであれば取得するメリットはかなり大きい資格であるといえるでしょう。

防犯装備士とは

防犯設備士と名称が似ていますが、全く違う組織が運用をしています。防犯設備士でいう「防犯」とは少し異なり、あくまでも自衛的な防犯を指すことが多いです。例:警棒、催涙スプレー、スタンガンなど

防犯設備の観点で、警察や自治体へのアドバイスなどを行うことができる防犯設備士ですが、防犯装備の観点からも詳しい知識をもってアドバイスすることができる資格であると言えます。

民間資格であるため、公的な資格ではないですが自分自身の知識の幅を広げることが出来る資格であると言えます。

防犯装備士を取得するメリット

資格取得が比較的容易であることがメリットとして挙げられます。18歳以上であることが要件であるため、基本的には誰でも資格取得することが出来ます。また、1日で(朝から夕方まで講習を受けてその日のうちに試験)資格を取得することができます。

取りやすい資格であるため防犯設備士とセットでとることで、顧客に対してより安心感を与えるアドバイスなどが出来ます。直接的なメリットよりも資格取得にあたって得られる知識にメリットがあると言える資格です。

防犯装備士教育指導員とは

防犯装備士の上位資格であり、防犯装備士の資格取得後に別途試験に合格することで「防犯装備士教育指導員」の資格を取ることが出来ます。防犯装備士教育指導員の資格を取ることで「防犯装備士資格試験対策講習会」を自分で開催することができます。

これまで紹介してきた資格とは少し趣向が異なりますが、警備員として業務以外の部分で活躍の場を広げる可能性のある資格であるといえます。

防犯装備士教育指導員を取得するメリット

「防犯装備士資格試験対策講習会」を自分で開催することができることが最大のメリットです。少し前であれば講習会を開催できる資格があったとしても、実際に開催するのは費用面や手間などもあり難しかったですが、今は「オンライン」での開催も可能です。

パソコン1台あれば、全国から募って開催することができるため、防犯装備士教育指導員の資格のメリットは大きいです。

防犯診断士とは

防犯診断士とは日本防犯診断士協会が認定する民間資格です。防犯の対象となる人、物、それぞれについてのリスクに関する専門的な知識をもって効果的な防犯対策をコーチング、アシスタントできる資格です。

対象となる「人」は、子供や高齢者、女性などの様々な人を対象としており、また、対象となる「物」も一戸建て住宅からマンションや学校など多岐に亘ります。幅広い対象に対する防犯の総合的な知識を身につけることができる資格です。

防犯診断士を取得するメリット

民間資格であるため、公的な優位性はありませんが防犯に関する幅広い総合的な知識を身につけることが出来ます。

防犯設備士と資格をセットで取ることで、取引先へのアドバイスにより信頼性を付加することができます。また、自治体との連携の際にもわかりやすい資格名として相手に安心感を与えることが出来ます。

資格も「在宅講習」が可能となっているため仕事をしながらでも取りやすい資格です。

まとめ

今回は防犯設備・防犯装備と関連する資格7選と、警備員がその資格を取得するメリットについて解説しました。

関連する資格は次の7選です。
・セキュリティ・プランナー
・セキュリティ・コンサルタント
・防犯設備士
・総合防犯設備士
・防犯装備士
・防犯装備士教育指導員
・防犯診断士

特に「セキュリティコンサルタント」「総合防犯設備士」の2つは警備員としての上位の資格であり、資格要件も厳しいため取得も難しい資格です。ですが、資格取得のメリットも大きく仕事を大きく発展させることの出来る資格です。

警備員としてキャリアアップを目指すのであれば、この7つの資格取得を目指し幅広い観点から防犯に対するスペシャリストを目指していくと良いでしょう。

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