警備員の装備とは?支給はされる?

警備員は警備の業務を確実におこなうために、さまざまな道具を装備します。装備品の中には、日常的に使用することがあるものに加え、警備の業務でしか使用しないものもあります。

また、警備の業務を始めるときには、これらの装備品が支給されるのかどうかも気になることでしょう。

この記事では、警備員が業務をおこなうときはどのような装備をするのか、業務で使用する装備品は支給されるのか、という点について説明します。

目次

警備員の装備について

警備員の業務では、さまざまな道具を装備します。警備中に装備するものについてみていきましょう。

なお、警備で使用する装備品の多くは支給されますが「貸与」とするものもあります。貸与された装備品は、警備会社を退職する際に返却しなければなりません。

ライト

夜間に警備の業務をおこなう場合は、ライトが支給されます。

ライトは、夜間に施設内の巡回警備をする場合に使用します。警備で使用するライトは、一般的なライトと比べると頑丈で耐久性に優れるなど、高性能のものが多いです。

夜間の警備では、真っ暗な施設内をライトで照らさなければならないため、一般的なものよりもライトが明るくなっています。これにより、暗い施設内がよく見渡せるようになるため、不審者や不審物の存在に気がつきやすくなります。

また、ライトの電池交換の手間を省くために、充電式のものもあります。

さらに、警備で使用するライトは、不審者からの攻撃を守るための防具としても活用されます。たとえば、不審者が棒を振り回して警備員に襲いかかろうとするときに、ライトを使って身を守ることも可能です。

そのような状況に対応するため、警備用のライトは一般的なライトよりも頑丈にできています。

誘導棒

夜間に交通誘導警備をおこなう場合は誘導棒が支給されます。

交通量の多い道路で工事をおこなう場合、日中は交通量が多すぎて渋滞が発生しやすくなるため、比較的交通量が少なくなる夜間におこなうことがあります。

そのような工事では、交通誘導警備を夜間におこなうため、ドライバーから警備員の誘導が見やすくなるように、警備員には誘導棒が支給されます。

誘導棒の長さは40~50cm程度です。取っ手の部分は黒ですが、全体的には赤い色をしています。赤い色の部分はライトが光るために、ドライバーからは誘導棒が目立って見えます。

また、誘導棒の多くはLEDライトが使用されています。LEDなら消費電力が少なく寿命が長いこと、しかも、ライトの明るさは十分な点がメリットです。

安全靴

警備の業務で安全靴が適している場合には、安全靴が支給されます。

安全靴は、日本産業規格(JIS)において「主として着用者のつま先を先芯によって防護し、滑り止めを備える靴」と定められています。

安全靴は、交通誘導警備や雑踏警備の場合は、警備中に自動車や人々に足を踏まれてしまう可能性があるため、原則として履く必要があります。

ただし、施設警備の場合は警備会社によって安全靴を履くかどうかは異なります。

その理由は、警備中に足を保護することを優先するか、革靴のように軽い靴を履くことで巡回警備中の歩きやすさを優先するかどうかの判断が分かれるためです。

安全靴は、つま先の部分に先芯が入っているため、施設内の巡回警備で履く場合は重さを感じやすくなります。

なお、警備会社の指示で安全靴を履くことが義務づけられている場合は、施設警備であっても安全靴で業務をおこないます。

トランシーバー

警備の業務で使用するトランシーバーも支給されます。トランシーバーは、警備会社によっては「無線機」と呼ぶこともあります。

トランシーバーは、施設警備の場合は、現場から施設内の防災センターに連絡を取る場合に使います。また、雑踏警備や交通誘導警備では、人々や自動車の流れをスムーズにする目的で、他の警備員と連絡を取るために使用します。

警備員が使用するトランシーバーは、大きく分けると「特定小電力トランシーバー」と「業務用無線機」の2種類です。なお、特定小電力トランシーバーは「特小」と呼ばれることもあります。

特定小電力トランシーバーは、近距離で連絡を取り合う場合に使われます。距離が離れている場合や、他のフロアに向けての通信には適していません。小型・軽量で持ち運びしやすく、扱いやすい点がメリットです。

業務用無線機は、電波が強力であるため、距離が離れた場所や異なるフロア同士での通信に適しています。

なお、業務用無線機の電波は特殊な周波数を使用するため、業務用無線機を使用する場合は、総務省の総合通信局に申請し、免許を取得する必要があります。

雨具

交通誘導警備や雑踏警備のように、屋外で警備をおこなう場合には雨具が支給されます。

道路工事での誘導警備やイベント会場での雑踏警備は、大雨の場合は工事やイベントの中止にともなっておこなわないこともあります。

しかし、多少の雨であれば工事やイベントがおこなわれるため、雨具を着て警備をおこないます。

警備員が着用する雨具の特徴は、雨具の上下と前後に反射テープがついていることです。雨が降っていない日であれば、反射ベストを着用して警備員自身の存在を知らせることができますが、雨の場合、雨具の上から反射ベストを着用するわけにはいきません。

雨具を着用しても警備員の存在をわかりやすくするために、警備員が着用する雨具には反射テープがついています。これにより、反射ベストと同様の役割を果たします。

警棒

警備員は、万が一の場合に備えて警棒を持っているイメージがありますが、実際には全ての警備員が警棒を持っているわけではありません。

警棒は、不審者からの攻撃から身を守るための護身用具であるため、主に警備において身の危険にさらされる可能性がある場合に所持します。警棒を所持するためには、公安委員会に届け出をしたうえで、許可を得る必要があります。

なぜなら、警棒は武器としても使用でき、中には危険な使い方をする人が出る可能性もあるためです。そのため、警備員が警棒を使用する場合はあくまでも届け出制としています。

もし、公安委員会からの許可が得られなければ、警備の業務中に警棒を持つことはできません。

警棒を所持する警備の業務としては、貴重品運搬警備や身辺警備、施設警備があげられます。業務中に警棒の所持が認められている場合は、警備会社から警棒が支給されます。

なお、雑踏業務や交通誘導警備は他の警備とは異なり、警備中に不審者から身を守る必要が少ないため、警棒を所持することはほとんどありません。

まとめ

警備員が装備するものとしては、雨具や安全靴のように身体に着用するもの、ライトや誘導棒、トランシーバー、警棒のように業務中に道具として使用するものがあります。

これらの装備品は、原則として警備会社から支給されるため、警備員自身が装備品を購入する必要はありません。

ただし、装備品によっては「貸与」となるため、警備会社を退職する場合には返却しなければなりません。

また、警備員に支給される装備品は、一般的なものと比べると優れた機能を有するものがあります。たとえば、警備で使用するライトは頑丈で明るいため、日々の施設巡回の警備では使いやすく感じられます。

警備員として勤務を始める場合は、この記事で説明した装備品の内容や使い方について十分理解し、警備の業務でこれらの装備品を使いこなしましょう。

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