年収アップを狙うならどんな資格を取得するべき?

目次

はじめに

警備員として年収アップを狙うなら、まず残業(休日出勤)を増やすことが考えられます。しかし36協定などで残業が規制されていたり、現場や同僚との兼ね合いでシフトが制限されたりする場合もあるでしょう。単純に労働時間を増やすのは、体力的にも限界があります。

そこでオススメできるのが資格取得によるキャリアアップです。資格を取得して警備員としてのレベルを上げれば、労働時間を増やす以外に年収アップが可能です。年収アップにつながる資格取得について解説します。

警備員の年収アップの方法

警備員の年収アップ方法のひとつに、資格取得によるキャリアアップがあります。資格取得支援制度を設け、保有資格に応じて資格手当を支給している会社は多いです。

階級制度がある会社ならば、資格取得によって階級が上がり昇給も期待できます。有資格者がいないと警備業務を実施できない現場もあるので、そこでリーダーに昇進すれば隊長手当なども加算されます。

仮に昇進するポストがなくても、資格を取得して実務経験を積んでいれば、より良い待遇の会社へ転職も可能です。厚生労働省がまとめた「令和3年賃金構造基本統計調査」を見てみると、2021年における警備員の賃金データは以下のとおりです。

【企業規模計(10人以上)】
年収3,383,200円(月収254,000円、ボーナス335,200円)

【1,000人以上】
年収4,097,400円(月収296,400円、ボーナス540,600円)

【100~999人】
年収3,185,900円(月収242,100円、ボーナス280,700円)

【10~99人】
年収2,565,100円(月収205,900円、ボーナス94,300円)

年齢や勤続年数、役職、雇用形態、都道府県などによって幅はありますが、一般的に企業規模の大きい会社ほど年収が高い傾向にあります。

資格を取得したにもかかわらず、現在所属している会社で望むキャリアアップが見込めない場合は、より大きな規模の会社へ転職するのも年収アップの一手です。

年収アップにつながる資格一覧

■警備業務検定

警備員のキャリアアップとして、まず挙げられるのが「警備業務検定」です。この資格は国家資格で、取得すると警備業務に必要な知識と技能を一定の水準以上に持つ警備員として認定されます。

この資格をもった警備員を配置しないと警備業務を実施できない現場が多くあります。そのためこの資格を取得すれば、活躍の場が広がり年収アップにつながるでしょう。

警備業務検定は業務によって、6つの種別があります。

・施設警備業務
・交通誘導警備業務
・雑踏警備業務
・貴重品運搬警備業務
・核燃料物質等危険物運搬警備業務
・空港保安警備業務

それぞれ1級と2級があります。2級は誰でもチャレンジできますが、1級は2級合格後に1年以上の実務経験が必須です。2級を取得すれば、現場リーダーとして活躍できます。1級は現場をより上位で広範囲に統括管理する際に求められます。

取得方法は2つあります。ひとつは「直接検定」と呼ばれる都道府県公安委員会が実施する試験を直接受ける方法です。もうひとつは「特別講習」と呼ばれる国家公安委員会の登録講習機関による講習(修了考査あり)を受ける方法になります。

試験(または修了考査)は学科と実技があります。それぞれ合格基準は90点(100点満点中)です。直接検定の合格率は20~40%で難易度が高いです。特別講習の合格率は60~80%で、難易度は直接検定に比べると低くなっています。

■警備員指導教育責任者

警備員として実務経験を積んだら「警備員指導教育責任者」の資格を取得して、管理職にキャリアアップする道もあります。この資格は国家資格です。取得すれば警備業務について専門的な知識と技能をもち、警備員を指導・教育できることが認められます。

法律上、警備会社は営業所ごと、そして業務区分ごとに警備員指導教育責任者の選任が必要です。営業所のリーダーとして警備員を指導・教育する立場となれば昇給も期待できます。

業務区分は次の4つです。施設警備の1号業務、交通誘導・雑踏警備の2号業務、貴重品運搬警備の3号業務、身辺警備の4号業務。それぞれ専門性があるため、警備員指導教育責任者の資格も4つにわかれています。

講習を受けて試験(修了考査)に合格するのが一般的な取得方法です。試験は5肢択一式の筆記試験で、80%以上正答すれば合格になります。合格率は公表されていませんが、70~90%とされています。

同じ業務区分の警備業務検定1級合格者であれば、すぐチャレンジできます。2級合格者であれば、1年以上の継続した実務経験が必要です。警備業務検定に合格していなくても、最近5年間で通算して3年以上の実務経験があれば受講できます。

■機械警備業務管理者

機械警備であれば「機械警備業務管理者」もあります。この資格は国家資格で、取得すると機械警備に必要な専門的な知識と業務管理の能力を持つ警備員として認められます。

法律上、機械警備をする警備会社は基地局ごとに機械警備業務管理者の選任が必要です。資格手当とともに、管理者へキャリアアップすれば年収アップが期待できます。

この資格は警備の実務経験がなくても、誰でもチャレンジできます。講習を受けて修了考査に合格するのが一般的な取得方法です。試験は5肢択一式の筆記試験で、80%以上正答すれば合格になります。合格率は公表されていませんが、70~80%とされています。

■施設警備「三種の神器」

施設警備には「三種の神器」(または警備員3点セット)と呼ばれる資格があります。

・自衛消防技術認定
・防災センター要員講習、自衛消防業務講習
・上級救命講習

それぞれ公的資格です。とくに東京都の防災センターにおいて有資格者が必要とされ、取得すると資格手当や昇給が期待できます。

自衛消防技術認定は、東京都限定の資格です。この資格を取得すると、東京都が火災予防条例で定める「自衛消防活動中核要員」になれます。消防隊が到着するまでに初期消火や避難誘導、応急救護などの活動をします。

防災センター要員講習は東京都限定、自衛消防業務講習は全国共通の資格です。この資格を取得すると、防災センターにおいて総合操作盤などの監視・操作ができます。

上級救命講習は、消防本部による応急処置技能講習です。成人および小児・乳児の心肺蘇生、AED、気道の異物除去、外傷の手当て、搬送などの方法を習得します。

■セキュリティ・プランナー

警備業務の上流へのキャリアアップとして「セキュリティ・プランナー」があります。一般社団法人全国警備業協会が主催している民間資格です。この資格を取得すると、警備する対象に応じて最適な警備計画を実行できる専門家となって活動できます。

さらに上を目指すなら「セキュリティ・コンサルタント」もあります。警備業の資格としては最高ランクです。この資格を取得すると、顧客のさまざまな防犯・防災上のリスクに対して、他分野の専門家も交えた相談業務ができます。

官公庁によっては、これらの資格を入札の条件としています。会社の業績拡大に貢献できれば、年収アップも望めます。

まとめ

警備員の年収アップ方法のひとつに、資格取得によるキャリアアップがあります。資格手当のほかに、階級アップによる昇給やリーダー昇進による隊長手当なども期待できます。

現在の会社で望むキャリアアップが見込めない場合でも、資格を取得して実務経験を積んでいれば、より待遇の良い規模の大きな会社への転職も可能です。

年収アップにつながる資格として「警備業務検定」「警備員指導教育責任者」「機械警備業務管理者」「自衛消防技術認定」「防災センター要員講習・自衛消防業務講習」「上級救命講習」「セキュリティ・プランナー」「セキュリティ・コンサルタント」などがあります。

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