駅や空港での警備員の業務とは?

駅や空港は、多くの人々が目的地に向かうために利用しています。日々、駅や空港を安全に利用できるのは、駅員や空港スタッフが利用しやすい状況を維持していることに加え、警備員による警備がおこなわれているためといえるでしょう。

駅や空港で警備にあたっている警備員は、日々どのような業務をおこなっているのか、という点について説明します。

目次

駅や空港での警備員の業務は?

駅や空港で警備をおこなう警備員の業務内容として主なものをあげると、下記のとおりとなります。

・不審者や不審物対応
・テロに対する警戒
・駅や空港内の案内
・痴漢被害の対応

それぞれの業務の内容について説明します。

不審者や不審物対応

駅や空港の警備では、不審者がいないか、また不審物が置かれていないかどうかを確認しています。

不審者や不審物への対応が必要な理由は、これらをそのまま放置しておくと、駅や空港の利用者が危険な目にあってしまう可能性があるためです。

さらに、不審者や不審物をそのままにしておくと、後述するとおりテロが起きる原因になり得るため、不審であることがわかりしだい、駅や空港の責任者と警察に連絡します。

不審者に対しては、警察が到着するまでは2人以上の警備員で対応し、トラブルの発生を防ぎます。不審者が不審な行動を起こさないよう、落ち着いて対応することが重要です。

テロに対する警戒

駅や空港ではテロに対する警戒を重点的におこなっています。

テロとは「テロリズム」の略語で、テロリストたちが政治的な主張を貫くために暴行や殺害、破壊などをおこなうことです。テロリストたちは目的達成のために社会全体を恐怖感におとしいれることもあり、テロでは一般の人々も巻き込まれる場合もあります。

駅や空港の利用者がテロによる被害を受けないように、警備員は巡回警備をしたり、防犯カメラのモニターを監視したりしながらテロの発生を防いでいます。

また、ビンに入っている透明の液体など、テロに利用するとみられる不審物を発見した場合は、駅や空港の責任者に連絡したうえで、警察に連絡して速やかに撤去を依頼します。さらに、現場に利用客が立ち入らないための対応も合わせておこないます。

駅や空港内の案内

駅や空港の警備員は、駅や空港内の案内もおこないます。

駅や空港の警備員は、いかにトラブルの発生を防ぐか、という業務も重要ではありますが、利用者の問い合わせに応じて案内することも大切な業務のひとつです。

特に、警備員は駅や空港の構内をくまなく歩いて警備をおこなっているため、構内の状況をくわしく理解しています。そのため、利用客から駅や空港内についての問い合わせがあった場合は、わかりやすく説明できます。

警備員はサービス業であることを心に留めながら、利用者からの問い合わせに応じましょう。それにより、利用者は親切な対応と感じられるはずです。

痴漢被害の対応

電車内では痴漢の被害が発生する場合があります。

痴漢は犯罪行為であるため、痴漢をした人は速やかに警察官に引き渡します。警備員は警察に通報し、痴漢行為をした人を駅の事務室に連れて行き、警察官の到着を待ちます。

痴漢被害は主に満員電車の中で発生します。電車が特に混雑するのは朝夕の通勤・通学の時間帯であるため、その時間帯に警備の業務をおこなう場合は、痴漢被害が発生した場合に速やかに対応できるように備えておきましょう。

駅や空港の警備員に必要な資質とは?

多くの人々が利用している駅や空港で警備をおこなっていると、さまざまな場面に直面します。

駅や空港の警備員に求められる資質としては、下記のものがあります。

・トラブルが発生しても冷静でいられること
・面倒に感じられる利用客に対し、落ち着いて対応すること
・英語でコミュニケーションが取れること

それぞれの資質について説明します。

トラブルが発生しても冷静でいられること

日々多くの人々が利用している駅や空港では、さまざまなトラブルが発生します。

駅や空港で起こり得る主なトラブルとしては、下記があげられます。

・利用者同士が言い争ったり、暴力を振るったりする
・利用者が盗難の被害に遭う
・泥酔している人が他の利用者に迷惑をかけている
・奇声をあげている人がいる
・駅構内で人身事故が発生する
・駅のホームで電車を撮影する人が、他の利用者の邪魔をしている

このようなトラブルが発生している場合は、まわりの利用者が迷惑や被害を受けないように対応することが重要となります。

たとえば、利用者同士が言い争っている場合や、泥酔している人がまわりに迷惑をかけている場合は、やめるように伝えたうえで、相手の話を聞くことも必要です。話をすることにより、迷惑をかけている当事者たちの気持ちが徐々に落ち着くこともあります。

駅や空港の警備で、これらのトラブルを頻繁に目にしていると、警備の業務が苦痛に感じてしまうこともあるでしょう。

しかし、警備をするうえで大切なことは利用者の安全確保です。その気持ちを持って業務にあたれば、トラブルを目にする機会が多くても、落ち着いた行動を取りやすくなります。

面倒に感じられる利用客に対し、落ち着いて対応すること

駅や空港は、多くの人々が利用しています。

多くの利用者はマナーを守って駅や空港を利用していますが、一部の利用者は迷惑行為におよんでしまうことがあります。

たとえば、電車が遅れたときにその不満を警備員にぶつける人がいます。警備員としては、このような利用者にはできるだけ対応したくないと感じることでしょう。

しかし、不特定多数の人々が利用する駅や空港で毎日のように警備をおこなっていると、面倒に感じる利用者に対しても、適切な対応が求められることが多々あります。

もし、利用者から電車の遅れに対する不満をぶつけられた場合は、遅れたことに対してお詫びすることが親切な対応といえます。

警備員としては「電車の遅れは鉄道会社の責任なのに、なぜ警備員が謝らなければならないのか」と理不尽に感じることがあるかもしれません。しかし、利用者からみると、駅員も警備員も駅で働いているという点では同じです。

警備員であっても、駅や空港で警備をする以上は、駅員や空港スタッフと同様の対応が必要であることを理解しておきましょう。

英語でコミュニケーションが取れること

駅や空港の警備員にとって必須の資質ではありませんが、英語でコミュニケーションが取れると、外国人の利用者からの問い合わせに応じられます。

特に、国際線が発着する空港では外国人の利用者が多くを占めるため、外国人から問い合わせを受ける機会も増えます。また、都市部の駅では外国人の利用者も多くみられます。

外国人の利用者に対し、英語で受け答えができれば、外国人の利用者としてはわかりやすいと感じることでしょう。

新型コロナウイルスの感染が始まった2020年以降は外国人観光客数が大きく落ち込みましたが、2022年10月に新型コロナウイルスの水際対策が緩和されてからは、外国人観光客数が増加傾向にあります。

今後、新型コロナウイルスの感染が収束に向かえば、外国人観光客数がさらに増えるとみられるため、英語でコミュニケーションが取れる警備員が活躍する機会は増えると見込まれます。

まとめ

駅や空港を警備する警備員は、利用者の安全を守るために、不審者・不審物の対応やテロに対する警戒、痴漢被害の対応をおこなっています。

また、駅や空港では利用者が多いため、利用者に対して駅や空港内を案内することも大切な業務のひとつです。

利用者の多い駅や空港ほど、思いもよらないトラブルが発生する場合があります。そのため、駅や空港で警備をおこなう警備員は、トラブルに動じることなく、冷静に対応する能力が求められます。

利用者が安心して駅や空港を利用できるように、警備員は巡回警備を定期的におこない、トラブルの発生防止に努めています。

(画像は写真ACより)

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