警備員の資格が無料かつ短期間で取れる制度、短期資格等習得コース事業とは?

この厳しいご時勢にあって、無料で警備の資格を取得できる制度があることをご存知でしたか。それも短期間で集中して講習を受けられるというのですから、これを見逃す手はありません。無料で就職に役立つ警備員の資格がとれる制度について解説いたします。

目次

就職氷河期世代の方向けの短期資格等習得コース事業とは?

厚生労働省では現在を就職氷河期と捉え、正社員になりたくてもなれない非正規雇用の方々を支援し、正社員への道をつくるため、各業界団体などと連携して「短期資格等習得コース」事業を行っています。

就職氷河期世代の方向けの短期資格等習得コース事業の概要

この事業は、非正規雇用で働いている方に向けての短期間での資格取得コースですが、就職できず困っている方々も対象にしています。

資格を取得して就職先の窓口が広がるとともに、希望かかなわず非正規雇用として働いている方々をステップアップさせるために職場実習を組み合わせた出口一体型の訓練を行うものです。

警備業においては、全国警備業協会が厚生労働省より委託され、警備業務検定取得と警備業界への就職支援や非正規雇用から正社員になることを目的とした事業で、対象者は以下の通りとなっています。

事業の対象となる方

この事業の対象となる方は、下記の要件に該当する方に限ります。警備資格コースでは、一般の求職者と警備会社に在職中の方とで、対象資格が異なりますので、それぞれの対象資格について詳しく説明いたします。

共通要件

Ⅰ.基準日※1において、35歳以上55歳未満

Ⅱ.公共職業訓練や求職者支援訓練などの職業訓練、教育訓練※4を過去1年以内又は現在、受講していない、また、受講する予定もない

一般求職者の要件

A.基準日において、離職している(学校を卒業して就職していない場合も含む)又は、非正規社員※2として働いており、正社員※3などの安定した雇用を希望している

B.以下のいずれかに該当する

①基準日から直近1年間に正社員として雇用されたことがなく、直近5年間においても正社員経験が通算1年以下

②直近1年間において、臨時的・短期的な就業を繰り返す、あるいは臨時的・短期的な就業と失業状態を繰り返すなど、不安定就労の期間が長い

③直近1年間において、非正規雇用の就業経験が多い、あるいは就職後の就業期間が短いなど、安定した就労の経験が少ない

警備員の要件

1.基準日において、非正規社員※2として働いており、正社員※3などの安定した雇用を希望している

2.基準日において、現在の所属会社で非正規雇用労働者として6か月以上、雇用されている

※1「基準日」は、お申込みいただく訓練の開始月の前月の末日になります。例えば、10月12日から開始の訓練の場合は、9月30日が基準日になります。

※2 期間の定めがある雇用など

※3 期間の定めがない雇用

※4具体的には、①短期資格等習得コース事業、②公共職業訓練、③求職者支援訓練、④教育訓練給付制度の指定訓練、⑤建設労働者育成支援事業、⑥中小企業等担い手育成支援事業、⑦地域創生人材育成支援事業を指します。

注1 全国警備業協会の氷河期コース受講決定後に、他の団体の氷河期コースを受講したい ➡ 受講終了日から1年を経過すれば受講できます。

別日程の全国警備業協会の氷河期コースを受講したい ➡ 一度、受講が決定した方は受講できません。

注2 申込み後に就業状況の変更があれば、自己申告をお願いいたします。受講要件を満たさなくなった場合、以降は受講できません。

なお、虚偽申告については受講中止、費用請求の場合があります。
参考元:https://www.ajssa.or.jp/hyougaki/

受講期間および日程

講習は約1ヶ月の期間に集中して行います。スケジュールは以下のようになっており、指定の場所で指定された時間だけ、きっちりと受講しなければなりません。

①:1週目:必要な知識についての講習(2日間)

②:2、3週目:警備員特別講習事業センターが行う「警備員になろうとする者の講習」の受講(6日間

・国家資格受験のための講習:学科(3日間)
・国家資格受験のための講習:実地(3日間)

③:4週目:職場見学会または実地研修(2日間)

受講内容

警備業界から講師が赴いて集中授業を行うのは②の部分です。最も重要な6日間になり、以下について学習します。

警備国家資格を取得するための講習(学科3日間)
学科については
受講できる講習は「交通誘導警備2級」、もしくは「施設警備2級」のどちらかの資格取得コースになります。実地研修は、それぞれに実地試験を突破するための座学を3日間にわたって行います。

警備国家資格を取得するための講習(実技および修了試験など3日間)
警備資格の実技試験とは、「気を付け」「敬礼」等の礼式や、駆け足、頭上に腕を上げて旗を振る、護身術、負傷者の搬送、等の動作を行います。

こうした実技試験は何度も繰り返すことで身に付くため、言葉でも説明しますが、何度も動作を繰り返して覚えます。身体を使う訓練でもあるため、支障となる疾患がある方は医師と相談する等して受講を検討してください。

受講方法

受講の申し込みは「一般社団法人・全国警備協会」のホームページより行えます。

また、全国警備業界では、一般の有料資格取得コースも同時に募集していますので、「就職氷河期世代の方向けの短期資格等習得コース事業」の無料コースの申し込みは、一般の方とは別に用意されておりますので、ご注意ください。

就職氷河期世代の方向けの短期資格等習得コース事業を受講するメリット

警備業は他の業種とは異なり、有事の際に真価を問われる仕事です。平穏な日々が続くことは依頼者や警備会社にとってもありがたいことではありますが、従業員を評価するにはキャリアだけが重視される傾向にあります。

しかし、警備業の資格を取得することで会社の評価も変わり、より上の資格取得を目指すことも可能です。無料の警備資格は2級と決められていますが、皆があこがれる警備検定1級は2級を取得して1年以上経験を積まなければ受験資格を得られません。

警備検定1級は警備会社が特に望む資格ですから、その前段階まででも進めるならば、ぜひ前進しておくことをおすすめします。1級を取得すれば、階級制度があればランクアップの可能性は大きく上がり、給与に大きく反映することも夢ではありません。ぜひ制度があるうちに受講して資格を取得してください。

無料の資格取得制度を有効に使おう

まだ、やりたいことが見つからず、正社員として働くことを躊躇している若い方々も多いと思います。そういう方々こそ、ぜひ無料の資格取得制度を利用してください。いままで見なかった世界を見ることで、価値観や見えなかった苦労や喜びが見えてきます。

この資格取得制度では、受講終了後1年を経過して定職についていなければ、別業種の資格制度も利用できると明記されています。警備業だけでなく異業種のことを知ることで、自分のやりたいことが見えてきて、警備業の良さがより深く分かることも多くなります。

なにごとも、まずはやってみることが大事です。学校を卒業してしまうと勉強する機会は極端に少なくなります。ぜひ教本を開いて新しい学問に挑戦してみましょう。

また、実技においても繰り返しの訓練を行うのは前述の通りです。人前で声を出して間違いのない動作をすることは、とても緊張するかもしれませんが、人生の中ではあまり多くありません。

これも経験だと思ってチャレンジしてください。思ってもみない自分を発見することができるかもしれません。単に資格取得を目指すのではなく、社会人として、一人間として、新しい発見を求めてチャレンジ精神を持って挑んでください。

資格は持っていて損をすることはありません。受講するならば必ず合格するように頑張りましょう。今回の講座では最後に試験を受けることになりますが、不合格者は再度学習して再試験が受けられます。ぜひお得な無料講座で警備資格を取得されることを願っています。

2級を取得したら迷わず1級を狙おう

この制度で資格取得できるのは、第二警備に必要な「交通誘導警備2級」か、「施設警備2級」になります。2級合格だけでも給与などに反映されることは多くありますが、2級に合格したら是非1級の合格を目指してください。

正直にいえば、2級と1級の開きは非常に大きく、1級を取得すれば警備業界ではかなり優遇されるでしょう。「交通誘導の1級」の資格がなければ、その警備会社が大きな道路工事などの事業に参加することができません。

また、「施設警備1級」の資格を取得すれば、現任教育などの講師の地位が得られます。教えられる側から教える側に回り、給与も増えて肉体労働も減ることになります。警備業界で就職しよう思っているのであれば、ぜひ無料の制度で2級をとっておき、1級取得の基盤をつくっておきましょう。

就職や転職にも役立つ警備資格を取得しよう

警備検定を自費で受けるとなれば簡単ではないうえに、費用もかなりかかります。ちなみに一般の方々が短期の集中講義を受けるとなれば、7~8万円の金額が必要です。

ぜひ、この機会に就職や転職に大いに役立つ警備資格を取得して、正社員を目指してください。

(画像は写真ACより)

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