芸術好きには最高!?美術館の警備について

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はじめに

美術館や博物館、静かで落ち着いた雰囲気で日常と異なる空気を味わうことができます。全国的にも著名な美術展は、週末になると大勢の人たちが訪れています。そのような美術館において、芸術作品や絵画を盗難から守ったりする業務は特別な資格がないとできないのでしょうか?今回は、美術館の警備について詳しく説明します。

美術館に警備員が必要な理由

美術館や博物館の展示品には、高価な作品も多くなっています。特に海外からの巡回展示会などは一つの作品で数千万円から数億円となるものも多数あります。万が一、作品に傷をつけられることが発生、汚れが付着した場合には甚大な損害が発生します。また、有名な巡回作品展の場合には、日本全国の美術館を巡回展示しているスケジュールの場合がほとんどとなっています。

そのため、もし展示している作品に傷がつけば、それ以降、その作品を見たかった人は見ることができなくなってしまいます。そのため、館内において、特に資産価値の高い作品においては作品のとなりで常に美術館の職員や警備員が作品にちかづくことや、触れることがないように見張っています。

また、作品へ傷をつけたり、手を触れたりするだけでなく、万引き犯や窃盗団などによる盗難の危険性もあります。そのため、警備員は、開館時間だけでなく、閉館時間においても警備員による警備は必要になります。美術館で働く人でよくイメージされる仕事は作品の説明や解説を行う学芸員の事を思い出される方が多いと思います。

展示作品の説明や解説を行う学芸員の仕事は、資格が必要な仕事であるため、資格を取得しなければ作品の説明や解説、美術品そのものの管理は行う事はできません。それでは、そのような美術館や博物館の作品警備には特別な資格が必要なのでしょうか?結論から申し上げると資格は不要となります。

そして、警備員の業務としては、4つに大別される業務のうち、第1号である施設警備業務に該当します。テレビのニュースなどで美術品の脇に制服を着た警備員の姿を見た方も多いと思います。警備員は、アルコール中毒や暴力団関係者など特別な欠格事由に該当することがなければ、18歳以上の成人であれば、警備員になることができます。

美術館の警備員の業務

美術館における警備員の主な業務について説明します。芸術作品や有名絵画を盗難されることを防止するため、不審者が侵入していないかどうかの巡回作業があげられます。巡回作業は美術館や博物館の開館時間だけに限らず、閉館後においても侵入者がいないかどうかの巡回作業を行います。

状況によって、24時間継続した業務となる可能性もあります。館内作業時では、万が一不審な行動をしている可能性がある者が見つかったケースは、すみやかに美術館の管理者責任者へ報告の上、適切な対応をとる必要があります。場合によっては、退場を促す必要も出てきます。また、美術館の入り口にて、立しょう業務を行い、不審者が来館自体していないかどうかをチェックすることも大切な業務です。

警備員が制服を着用して立しょう業務を行っていることをしめすことで盗難や犯罪の抑止力にもなるため大切な業務となります。美術館内を巡回して業務を行っていると、落としものを見つける場合もあります。落としものを見つけた場合には速やかに館内の責任者への届け出を行い管理を行う必要があります。決して自己判断で落とし物の処理を行う事がないようにしなければなりません。

美術館で働くメリット

美術館の警備員の利点としては、大切な美術品や芸術品を知覚で見ることができます。業務をしながらになりますので、見ることに専念することは絶対にいけませんが、監視対象が美術品であるため見ることは可能です。特別展などはメトロポリタン美術館やルーブル美術館など世界的な美術館で展示されている作品を間近で見ることができます。

美術品に興味のある方にとっては最適な職場でしょう。続いて閉館後などに学芸員の方から、展示品について解説してもらえる場合があります。学芸員の方は、美術品が好きで資格を取得した方が多いため、質問を行う事で喜んで教えてくれる場合もおおいにあります。

教えてもらった美術品の知識を日々の警備の仕事にも活かす事ができれば、より質の高い警備への相乗効果も期待できます。続いて、美術館は作品を維持するため、温度、湿度など最適に保たれた空調環境にて展示されています。また、美術館は静かに鑑賞することが必須であるため、騒いだり、大声を出したりする人もいません。来館者の方もリラックスして1日中過ごせる空間であると同時に警備員の人にとっても快適な空間で警備に当たることができる場所となっています。

美術館で働くデメリット

続いて、欠点としては、繁忙期と閑散期の差が激しいことがあげられます。通常平日は来館者が特に少なくなっており、週末は来館者が増加するようになっています。巡回業務、立しょう業務いずれも来館者が少なくなるとどうしても手持ちぶさたの状況となる場合があります。そうなると時間が長く感じることもあり、集中力がそがれてしまうケースも考えられます。一方、特別展の週末となると、入館までに長蛇の列ができる場合もあるほど人があふれてきます。

そのため、通常の巡回、立しょう業務だけでなく案内業務、落とし物対応などさまざまな業務が増えてきます。その分、時間の経過を早く感じることができますが、体力的に疲れてしまうこともありえます。続いて、常に展示を行っている美術館の場合、いわゆる常設展示の場合は平日は人が少ないため、あまりシフトとしては入ることが出来ない可能性があります。そのため、美術館の警備員として専従で働きたいと考えてられる方は、複数の美術館を兼任しておこなうように、日々仕事を探しておく必要がある場合もあります。

美術館の警備員になるためには

美術館で警備員として働く場合には、一番多いケースは警備会社へ登録し、警備会社から派遣されて美術館で勤務することとなります。その場合には、応募の際に警備先に博物館や美術館からの警備依頼がなければ、最初は別の現場にて実地経験を積みつつ、希望の美術館や博物館から要請があった場合に、配属されるといったケースも考えられます。

まれに、美術館自体が警備員を募集している場合もあります。しかしながら、その場合には、常設展示の美術館の場合、繁忙期のみの募集となっている場合も多く、週に1から2日、状況によっては、1ヶ月警備に入ることもないと言ったことも想定されます。そのような場合に備えて、常に複数の美術館や博物館の掛け持ち先を自分で探しておかなければならないといったリスクも発生します。

警備会社へ登録すると、警備業法という法律において、20時間にわたる新任研修を行う事が決まっています。そのため、博物館での勤務経験、警備業としての勤務経験がなくても安心して警備の業務を開始することができます。警備員の求人サイトでも美術館勤務と記載されている募集も多くされていますので、探してみることをおすすめします。

まとめ

美術館での警備は、美術品や芸術品が好きな方、落ち着いた場所で働きたい方にとっては最適な職場です。場所が限られているため、いつでもすぐに働けると言ったことはないかもしれませんが、採用活動は確実に行われていますので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

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