警備員の当直勤務とは?夜勤との違いや働き方について解説

警備員の仕事には日勤と夜勤のほかに、当直勤務(略称・当務)と呼ばれる勤務があります。施設警備に勤める方はとくに、この当直勤務が多いため覚えておいた方がよいでしょう。

ここでは当直勤務と夜勤や日勤の違いや、当直勤務の仕方やメリットおよびデメリットについて詳しく解説いたします。

目次

当直勤務とは?

当直勤務とは日勤と夜勤を合わせたような長い時間の勤務で、朝の9時から翌日の朝の9時までなど24時間勤務する特殊な勤務体系をいいます。

ショッピングモールなどの施設警備では、施設の営業時間も犯罪防止などの目的で業務にあたることも多くありますが、閉店後の夜間も店内にある商品や施設に不具合が発生して災害にならないように警備をするのが一般的です。

従業員の方々が帰ったあとにも犯罪および災害予防のため巡回警備をおこない、施設従業員の方々が休みの日に警備をおこなうことになります。

そのため、商業施設では年中無休の場所もあるかもしれませんが、工業施設やコンビナートなどでは日曜日や祭日および大型連休では施設従業員の方も休日となることが多いため、その部分を補助する目的で当直勤務が多く行われるのが一般的です。

また、日勤と夜勤だけでは収入も少なく身体をゆっくり休めることもできないため、あえて当直勤務を作ることで、日勤と夜勤に加えて当直勤務を設定している場所も多くあります。

日勤/夜勤との違い

当直勤務と他の勤務との大きな違いは長い勤務時間であり、前述のように朝9時から翌朝9時までの24時間勤務です。

日勤や夜勤と比較して約2倍の時間を勤務することになる特殊な長時間勤務です。これは、警備業が人命や安全を継続して守らなければいけないということで、労働基準法でも特別に認められています。

通常は一般企業と同じように8時間労働を基準にしているため、日勤と夜勤で交替して業務にあたりますが、前述のように施設従業員の方が正月やお盆および通常の日曜日などに施設が稼働していない場合には24時間態勢で警備を行うことになります。

夜勤と日勤では複雑かつ連日出勤となってしまうこともあり、24時間勤務の当直勤務をすることでスマートな勤務体系をつくることができます。

なお、24時間勤務といっても仮眠時間と休憩が複数回あり、正味の勤務時間は16時間程度となるのが一般的です。

ただし、地震などの自然災害が発生したり、電話が鳴ったりすれば対応しなければならず現場を離れることはできません。そのため食事を3食分用意してきたりなど、通常の業務よりも準備するものも増えるため、初めて勤務する場合には事前に先輩から用意した方がよいものを聞いておきましょう。

当直の勤務スケジュール

当直勤務は朝の9時頃から翌日の同じ時間までの24時間勤務であるため、1回の勤務で2日分働いたと見なされることが多く、翌日の朝の9時からは「明け」とされ、その日は勤務をしなくてよいのが普通です。

翌日が明けとされる勤務では、当直勤務を10回すれば20日間働いたことになり、他に8回程度は公休があるので、月に10回程度の勤務で終わることもあります。

しかし、少ない人数で勤務を回している場合には明け勤務をつくると人員が不足してしまうこともあり、翌日も夜勤だとか連日当直勤務となる場所もあるようです。こうした場合には2泊3日の勤務ということにもなり、用意する食事や入浴などの問題も発生します。

このように当直勤務が24時間勤務であることは間違いありませんが、翌日や月全体の勤務スケジュールなどは会社によって異なるため、入社前に必ず確認しておくようにしましょう。

当直勤務のメリット

当直勤務は長い就業時間というデメリットが注目されがちですが、日勤や夜勤にはないメリットがたくさんあります。そのため当直勤務を多くやりたいと希望する人もいるようです。

また、24時間にわたって施設内を点検したりするため、自然に仕事を早く覚えるなどのメリットがあります。

ここでは当直勤務のたくさんのメリットについて詳しく説明いたします。

出勤日数が少ない

当直勤務の大きなメリットは何と言っても1回で2日分働けることです。24時間の勤務は長くてつらいことではありますが、翌日は明けとなり加えて公休をつけてくれることも多くあるため、睡眠不足の感はありますが2連休のような気分になれます。

当直勤務は出勤日数が少なくて済むメリットがあり、全ての勤務が当直であれば10~12回程度の出勤で、あとの時間は自由に使えます。日勤や夜勤であれば月に20回以上の勤務が必要なところを、時間は長いけれども半分程度の出勤で済ませることができるは大きな魅力です。

当直勤務は、まとめて仕事をしてゆっくり自分の時間を楽しみたい人にはうってつけの勤務ですが、不規則な勤務であるため体調を崩しやすく注意しなければいけません。

また、当直勤務を休むとなれば、代わりの人を探すことも大変になります。日勤や夜勤であれば簡単に1日に分だけ誰かと交換するなどですみますが、当直勤務では2日分の予定がくるってしまうため簡単に休むことができないのも現実です。

当直勤務は勤務数が少なくて給与が増えるなどのメリットがありますが、身体の調子が悪くても簡単に休むことができないため、日頃から健康管理には十分に注意しましょう。

仮眠が取れる

当直勤務では仮眠時間が4~6時間程度は設けられるのが普通ですので、睡眠不足となることもあまり心配することはないでしょう。

ただし、前述のように電話が鳴ったり異常事態が発生したりすれば仮眠中でも業務にあたる必要があり、ゆっくりと眠れない人も多いようです。明けと公休でゆっくり休んで次の当直に備えましょう。

また、当直勤務では24時間という長い拘束時間になりますが、休日などにあたることが多いため、仕事の量も日勤や夜勤と比べると少ない場所が多く、電話などもかかってくることは稀な施設も多いので、仕事が割と楽なのも当直勤務の特徴といえます。

給与に反映する

当直勤務では夜間勤務を含むため、時間外に合わせて深夜手当もつくので、普通の勤務よりも高い賃金を貰えます。今月は当直が8回だから少し給料が多いかななどと、働いた分だけ給与に反映されるのも当直勤務のメリットです。

ただし、警備業は変形労働時間制度を採用しており、一般企業とは異なる勤務時間と給与体系になっているのが普通です。

警備業者によっては当直勤務のあとの明けが無い場所もあると申し上げましたが、給与についても各社によって当直勤務に特別な手当てがつくとこともあれば、あくまで日勤と夜勤がくっついただけの連続勤務と見る場所もあり、給与にも大きな差が出るため入社時はよく確認した方が良いでしょう。

当直勤務のメリットを最大限に活かすために事前に十分な確認をしましょう!

施設警備において当直勤務があるのは警備業界では普通とされており、人命保護や災害防止の観点から法律上でも認められている勤務体系なのは前述の通りです。

ただし、労働基準法では変形労働時間制であっても1週間では上限が40時間、1ヶ月であれば177.1時間(31日計算)と定められていますので、法律に抵触していないかも事前にチェックしましょう。

ここまで当直勤務のスケジュールなどを解説しましたが、警備会社によって異なるのが現状であり、月の勤務形態や給与への反映についても同じことがいえます。

入社時には十分に仕事の内容や仮眠時間、翌日の明けはどうなっているのかなどを良く確認して、身体をいたわりながら就業しましょう。

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