警備員は年収1000万円を目指せる?年収アップの方法を解説

「年収1000万円」という響きにあこがれる人は多いことでしょう。年収が1000万円あれば、欲しいものが買えたり、おいしいものが食べられたりと、日々の生活に余裕を持ちやすくなります。

しかし、現実的にみた場合、警備員で年収1000万円を目指すことはできるのでしょうか。

この記事では、警備員の年収に関するさまざまなデータを示したうえで、年収アップのためにはどんな方法があるのかを説明します。

目次

警備員の平均年収

警備員の平均年収は「求人ボックス 給料ナビ」のサイトによると、正社員の場合は2022年11月時点で345万円です。

出典:求人ボックス 給料ナビ
https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/

このデータだけを見ると、警備員で年収1000万円を目指すことは難しいように感じられます。

しかし、この数字はあくまでも平均値であるため、平均年収を上回っている人も多くいます。例えば、長年にわたって警備の仕事を続けてスキルがアップした人や、警備の仕事における重要な資格を取得した人などがあげられます。

警備員として年収1000万円を目指す前に、まずは平均年収を上回るところから目指してみましょう。

次に示すデータは、警備員の年齢別の平均年収、経験年数別の平均年収で「令和3年 賃金構造基本統計調査」に掲載されているものです。

年齢別平均年収
20歳~64歳までの警備員の平均年収は下記の通りです。

|年齢|平均収入|h
|20~24歳|267万円|
|25~29歳|411万円|
|30~34歳|483万円|
|35~39歳|471万円|
|40~44歳|595万円|
|45~49歳|501万円|
|50~54歳|470万円|
|55~59歳|388万円|
|60~64歳|212万円|

出典:令和3年 賃金構造基本統計調査(e-Stat 政府統計の総合窓口)
https://www.e-stat.go.jp/

平均年収を年齢別でみると、最も高い世代は40~44歳の595万円です。

平均年収は20歳から40代前半までは上昇していますが、40代前半をピークにそれ以降は平均年収が減少傾向となります。

その理由として考えられるのは、警備員は50代から始める人が多い点です。50代であっても長年警備員として勤務してきた人は年収が高めとなる一方、経験の浅い人も多いため、平均年収という点でみると40代よりも低めになります。

経験年齢別平均年収
年齢別・経験年齢別の平均年収についてみていきます。

|年齢 |1~4年|5~9年|10~14年|15年以上|h
|20~24歳|350万円|413万円| - | - |
|25~29歳|418万円|545万円|458万円| - |
|30~34歳|322万円|567万円|701万円|768万円|
|35~39歳|284万円|462万円|617万円|643万円|
|40~44歳|324万円|300万円|609万円|902万円|
|45~49歳|274万円|260万円|352万円|833万円|
|50~54歳|243万円|289万円|361万円|797万円|
|55~59歳|259万円|306万円|279万円|736万円|
|60~64歳|116万円|243万円|121万円|408万円|

出典:令和3年 賃金構造基本統計調査(e-Stat 政府統計の総合窓口)
https://www.e-stat.go.jp/

全体的にみると、経験年数が長くなるほど平均年収が増加していきます。経験年数が15年以上の警備員は特に高く、40~44歳の場合の平均年収は902万円となっています。

この数値はあくまでも平均値であるため、40~44歳の警備員で経験年数が15年以上の場合は、年収が1000万円を超える人がいるとみられます。

このように、さまざまなデータを参照すると、警備員の年収1000万円は経験年数が長いほど実現の可能性が高まります。

年収アップのためには?

警備員として年収アップを目指す方法としては「資格取得」と「昇格」の2種類があげられます。

それぞれの方法について説明します。

資格取得

警備員に関連する資格としては「警備業務検定」と「警備員指導教育責任者」があります。

警備業務検定
警備業務検定とは、各種の警備業務において一定水準の知識や能力を有するかどうかを判定する試験のことです。

警備業務検定は下記の警備業務においておこなわれており、それぞれ1級と2級があります。1級は警備業務における専門的な内容、2級は警備業務における基本的な内容が問われます。

・施設警備業務検定
・空港保安警備業務検定
・交通誘導警備業務検定
・雑踏警備業務検定
・貴重品運搬警備業務検定
・核燃料物質等危険物運搬警備業務検定

(出典:一般社団法人 東京都警備業協会)

これらの検定に合格して資格を取得することで、警備の業務が確実におこなわれるとみなされるため、年収アップにつながりやすくなります。

警備員指導教育責任者
警備員指導教育責任者とは、警備員に対して指導や教育をおこなう人のことです。

警備員指導教育責任者になるためには、警備員指導教育責任者講習の修了考査に合格したうえで、警備員指導教育責任者資格者証の交付を受ける必要があります。

講習は1号から4号の警備業務ごとにおこなわれます。講習を受ける場合は1号から4号の中からいずれかを選び、修了考査に合格したら警備業務の指導・教育をおこなえます。

なお、警備員指導教育責任者として指導ができる警備区分は、警備業務検定に合格した警備区分、または従事した警備業務の種類と同じである必要があります。

警備員指導教育責任者講習を受けるためには、一定の期間にわたって警備業務に従事していることが求められます。詳細は下記の表の通りです。

ただし、警備業務検定に合格していると、警備業務に従事していた期間が短くても講習を受ける資格が得られます。

|警備業務検定|警備業務に従事した期間|h
|資格なし|最近5年間で通算3年以上|
|2級に合格|合格後1年以上|
|1級に合格|指定なし|

警備員指導教育責任者になるためには、長年警備業務にたずさわったうえで、警備についての知識や能力が十分であることが求められます。そのため、警備員指導教育責任者になると年収が上がりやすくなります。

昇格する

そのほか、警備員として年収をアップする方法としては昇格することがあげられます。

警備会社によっては階級制度が設けられている場合があります。階級の一例をあげると下記の通りとなります。なお、階級の順序は下の階級から紹介しています。

・警備士
・上級警備士
・警備士長
・警備司令
・警備司令長
・警備正
・警備長

警備長は、一般の会社では執行役員に当たるため、そこまで昇格することは難しいかもしれません。しかし、長年にわたって警備の経験を積み、実績を出すことによって徐々に昇格することは十分に可能です。

日々の警備を確実におこなうことが、年収アップにつながります。

警備員で年収1000万円は目指せる?

警備員として年収1000万円を目指すことは可能です。

先の項目で経験年齢別の平均年収について説明した通り、年齢が40~44歳で経験年数が15年以上の警備員は平均年収が902万円となります。

この金額は平均値であるため、年収1000万円を超える警備員もいるとみられます。

警備員として年収1000万円を目指すためには、大きく分けると3つの方法があります。

・長年にわたって警備の経験を積む
・警備員として重要な任務に就く
・教育責任者として警備員を指導する

長年にわたって警備の業務にたずさわることで、警備の知識や能力が身につくため、警備業務検定の資格を取得しやすくなります。

また、警備業務検定には1級と2級があり、1級の資格は専門性が求められることから、責任ある立場で警備業務をおこないます。

さらに、警備の経験を十分に積めば、教育者として警備員の指導も可能となります。

より責任ある立場として警備業務にたずさわれば、年収1000万円がみえてくることでしょう。

警備員におすすめの副業

警備員が副業をする場合は、すき間時間におこなえるものを選ぶことがポイントです。

例えば、クラウドソーシングで簡単な記事作成やデータ入力の副業ができるほか、自宅で不要になった商品をフリマサービスで販売することもできます。

なお、警備員は法律上では副業を禁止する規定はありませんが、警備会社の就業規則で副業禁止としている場合があります。

副業禁止の会社で副業していることが知られてしまった場合、罰則を受けることで今後は昇格できないだけでなく、降格の原因にもなりかねません。

投資で収入を増やす方法も

そのほか、収入を増やす方法としては投資があげられます。投資なら副業には当てはまりません。

投資といえば、必ずしも投資した金額が増えるとは限らず、逆に減ってしまうこともあるため、難しく感じる人が多いのではないでしょうか。

その点、投資には「つみたてNISA」のように、指定された金融商品を毎月1000円~1万円程度積み立てる方法もあります。積み立て投資なら、少しずつ投資額を増やしていく方法であるため、投資のリスクを抑えられます。

まとめ

警備員が年収1000万円を目指せるかどうかは、長年にわたって警備の業務を続けて、警備員として重要な立場の業務に就くことがポイントとなります。

そのほか、警備員を教育する立場である「警備員指導教育責任者」の資格を取ることも年収アップの方法として有効です。

警備員で年収1000万円を実現することは難しいように感じられますが、実績を少しずつ積み上げていけば年収1000万円を実現する可能性はあります。

日々の警備業務を確実におこない、信頼を受けることが年収1000万円を達成するカギといえます。

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