保安警備とは?警察官との違いや業務内容について解説!

保安警備とは、警備業務の中で第1号業務、施設警備業務に含まれる警備業務となります。今回は、保安警備員は、どのような仕事なのか?どのような勤務形態なのか?保安警備員として、働くことのメリットやデメリット、警察官との違いを説明します。

目次

保安警備員の業務内容

保安警備の主な仕事内容は、オフィスビルや遊園地、空港など警備対象の施設を事故や災害などの危険から守る業務となります。保安の言葉の意味は、「身体や財産など大切なモノを危険な状態にならないように守る」と定義されています。

「危険」は、保安警備業務において、広い意味で用いられています。地震や火災など天災や事故から施設を守る「防災行為」、施設に不審者や不許可の人が入り込んでいないか犯罪行動を防ぐための「防犯行為」が保安警備業務において求められています。

また、服装の点でも、他の業務の警備員とは異なる場合があります。一般的に、警備員は、一目で警備員とわかるように制服を着用しています。警備員が制服を着用することは、事故や犯罪を抑止する力となります。なぜなら、制服を着た警備員を見ることで、窃盗などの犯罪を行おうとする不審者が警戒するからです。

保安警備員も制服を着て業務を行うケースもありますが、私服で保安警備にあたる場合もあります。制服で警備にあたるのか、私服で警備にあたるのかは施設によってことなります。私服で保安警備を行うことのメリットは、見た目は周りの人と同様なため、窃盗などの犯罪の抑止力にはなりませんが、商業施設での窃盗の常習犯対策としては有効となります。以前、スーパーや百貨店などで活躍する「万引きGメン」をとりあつかった番組がありましたが、その方たちをイメージして頂くとわかりやすいと思います。

検察庁が出している、2021年3年度の犯罪白書によると、毎年約10万件の窃盗罪が検挙されており、これは全検挙数の半数をしめるにいたっています。万引きなどの窃盗が商業施設内のスーパー、百貨店、テナントの売り上げに与える営業は高く、近年では高齢者の万引きも増加してます。東京都の調べによると、平成の間に高齢者の万引きの犯罪割合は、1割から4割にまで増加していると報告されています。

万引きや窃盗常習者は警戒感が強く、手慣れています。私服の警備員配置により、常習者を油断させる効果があります。私服着用で保安警備を行う際の注意点は、いかに施設に来場する一般の方と同じような服装や雰囲気をだすことができるかとなります。例えば、スーパーなどでは、女性の保安警備員であれば主婦がよくしてる服装に、また男性警備員であっても目立つシャツなどではなく、落ち着いた服装が求められます。オフィスビルではスーツを着用するなど、担当施設に合わせた服装を選択することが大切です。

また、足元も大切です。あまり足音が大きくなってしまう靴を履いてしまうと存在が目立ちやすくなってしまいます。大切なことはいかに周りになじんで目立たなくするかという点に注意が必要です。場合によっては、危険性を持った、悪質な窃盗犯や窃盗集団もいるため、特に貴重品や貴金属や現金を取り扱っている場所の私服保安警備は男性がつく場合が多くなっています。

警備員は、警備の死角になりやすい場所や窃盗犯の一般的な犯罪手口を事前に把握した上で警備業務を行うことで、犯罪に気づきやすくなります。私服による保安警備中は、服装だけでなく、巡回ルートも重要になっています。漫然と巡回をおこなっているだけでは、手慣れた常習犯の犯行現場を見つけることは難しくなります。巡回を行う前に、これまでの万引きが行われた場所の確認や、死角となりやすい場所を確認した上で注意深い巡回が大切です。

保安警備を行う時に気を付ける点は?

保安警備は、私服での警備を行う可能性がある点で道路工事の現場などの交通誘導や貴重品の輸送などの他の警備業務と異なります。保安警備を行う場所は、商業施設、遊園地から空港までさまざまな施設があります。その場所、その目的に従い臨機応変な対応が常に求められます。

具体的には、百貨店や大型のショッピングモールなどの商業施設内では、来館されるお客さまが安全かつ平穏に買い物や食事ができる環境を保てているかどうかの確認を重視すべきです。巡回中は、挙動が不審な人がいないか、お客さま同士でトラブルが発生していないかチェックと合わせて、施設内のエレベータや照明などの故障や汚れなどがないかも注意深く確認する必要があります。

お客様のトラブルとして、近年、子供の車内放置による死亡のニュースもよく見かけます。特に夏場の巡回にあたっては、駐車場の状況にも注意が必要です。想定される危険を防ぐことも、警備員の仕事です。

続いて、オフィスビルなどの巡回警備の際には、部外者の侵入を抑止、発見が必要な業務となります。万が一部外者が侵入すると、テナント企業の情報漏洩や商品盗難など大きな損害が発生する可能性があります。巡回中は、社員証をつけていない人がいないかどうか?普段、見慣れない服装をした人がいないかどうか念を入れた確認が大切です。

このように、保安警備は、状況によっては悪質な窃盗犯や窃盗グループへの対応も発生する可能性もあるため、人と社会の安全を守る強い責任感が必要となっています。また、常に巡回中は身体を動かしつつ、周りに注意を払わないといけない仕事のため日々の体調管理・健康維持も大切になります。万引きの常習犯や窃盗グループを見つけるため、施設の少しの異変を察知する能力も大切です。保安警備中に少しの気づきにきずけるかどうかは事故の発生を未然に防ぐために大切です。

保安警備と警察官の違いは?

万引き常習犯や窃盗犯の検挙に対して、大きな役割を果たしている保安警備員。では、警察官とはどのような違いがあるのでしょうか?保安警備員と警察官の違いを説明します。

まず、警備員について説明します。警備員は、民間企業の社員になります。企業や個人からの依頼により、警備業法に基づき安全や財産を守る保安警備業務を行うことに限られます。警備員は、あくまで民間企業の社員であり、万引き犯の逮捕や窃盗グループの捜査を行うことはできません。あくまで、現行犯としてその場で取り押さえたうえで、警察へ連携する必要があります。

一方、警察官は、国家公務員となります。警察官職務執行法に基づき、万引き犯や窃盗グループを逮捕できる権限を持っています。また、事件の解決へ向けた捜査も警察官でなければおこなえません。取り調べの権限も、警察官でなければできません。警察官は国家公務員のため、国や地方公共団体の指示を受けての業務遂行となります。

このように、保安警備員は万引きや窃盗の現場を見つけ、警察への連携の役割を果たしているのです。保安警備員は、私たちの生活、命を守る安心や安全に関わる重要な仕事です。今後も少子高齢化やテロ、犯行動機のはっきりしない無差別行為の増加など社会の不安が増大しています。そのような社会の中、保安警備員の果たす役割はこれからますます大きくなってきます。

まとめ

警備業界の活動の場所はどんどん広がっています。その中でも保安警備員は、私たちの安全を守り、治安を維持するやりがいのある仕事です。興味ある方は求人サイトで、どんな警備会社があり、業務内容を行っているのか積極的に調べてみることをおすすめします。

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